医療費タダ、受信料免除…生活保護は「年金暮らし」でも受け取れる

受給のための注意点を解説
週刊現代 プロフィール

では、生活保護をもらい始めると、どんな生活を送ることになるのか。冒頭の和久井氏は語る。

「外食は厳しいので自炊をしており、電気、ガス、水道で月7000円いかないくらいでした。食費は月約2万円で、朝は納豆ご飯で夜はコロッケと何か一皿といった感じです。家電が壊れたときのための貯金もしつつ、節約をすれば、暮らしていけました」

生活保護費は基本的に毎月口座に振り込まれる。更新のために手続きする必要はないが、受給中は福祉事務所の指導に従うことになる。

 

では生活保護を受給するには、具体的にどんな手続きが必要なのか。

第一歩は福祉事務所へ相談をしに行き、収入額や家などの財産について説明を受けることだ。その後、ケースワーカーが申請者の家を訪問して調査をし、受給できるかを審査される。

だが、相談に行く前から、自分はもらえないと思い込んでしまう人も多い。勘違いしがちなケースをまとめたのが、この表だ。

なかでも、持ち家については誤解が広がっている。生活保護を受給できると言われても、長年住んだ家を手放すことになるのなら、やめておこうと思ってしまうのだ。

実は、持ち家については、住宅ローンが払い済みで、家を売った時の価値が低ければ、住み続けることができる。では、住み続けられないのはどんなときか。

「東京なら時価が約3400万円、大阪なら約2500万円を超える高価な家に住んだり、多額のローンを支払い中の場合です。売却して生活資金にするように福祉事務所から指導されます」(鴨川法律事務所・尾藤廣喜氏)

テレビは所有できる

一方、自動車の所有については条件が厳しい。

「自動車は、基本的に高額で自動車税や車検費用などの維持費もかかるため、原則所有は認められていません。事故に備えて保険に入る必要があることも、認められない理由の一つです」(元ケースワーカーの碇井伸吾氏)

自動車を持っている場合は、福祉事務所で指導を受け、売却をすることになる。ただし、生活をしていくうえでどうしても必要な場合は、所有が認められることもある。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授の稲葉剛氏が語る。

「たとえば東京都八王子市の山間部でバスが1時間に一本といった場所では、自動車の所有が認められた例があります。ただし、行政側はかなり渋っており、交渉を重ねた結果でした」

行政側は生活保護費の支出をできるだけ減らそうとする。そのため、売却して生活費にできるようなものは、生活保護を受給する前に手放すように指導されるのだ。

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