医療ミスで死にかけた人々〜薬を飲んでもよくならないと思ったら…

大半が「なかったこと」に…
週刊現代 プロフィール

大半が「なかったこと」に

患者や薬の取り違えだけではない。病院では、スタッフのうっかりミスが頻発している。そのうちの多くが患者には知らされず、闇に葬り去られているのだ。その実態を紹介しよう。

(1)心臓病の手術を控えた73歳の女性患者に、看護師が血栓を溶かす薬「ヘパリン」を過度なスピードで投与。通常は24時間かけてゆっくり点滴で投与する量を、たった1時間で体内に流し込んでしまった。結果的に手術が成功したのをいいことに、投与ミスを患者に報告しなかった。
(2)食べ物を経口摂取できなくなった68歳の脳梗塞患者に、胃管を通して栄養剤を投与することに。その際、看護師が管を体内の深部に入れすぎたために胃を突き破って肺まで至ってしまった。患者は一時、呼吸困難に。一命こそとりとめたものの、病院側は看護師の治療ミスをひた隠しにした。
 
(3)心臓カテーテルの手術で都内大学病院に入院した61歳男性が術後、心肺停止に。手術に立ち会った臨床工学技士が患者に取り付けた人工心肺を調べたところ、本来閉められているはずの栓が開放され、空気が患者の動脈に流れ込んでしまっていた。それが原因で患者は多発性脳塞栓症をおこし、全介助の状態に。
(4)脳卒中のリハビリをしていた69歳の女性が、作業療法士による食事介助でゼリーをのどに詰まらせて死亡。本来、食事の介助は言語聴覚士の専門領域。だが、この病院ではスタッフ不足を理由に経験のない作業療法士に食事介助をやらせていた。事故後、病院側は遺族に「肺炎だった」とウソの報告をした。

このように、表沙汰にならずに処理されたケースは数えきれないほどある。医療ミスは、あなたの知らないうちに、あなたのすぐそばで起きているのだ。

『週刊現代』2019年7月27日号より