医療ミスで死にかけた人々〜薬を飲んでもよくならないと思ったら…

大半が「なかったこと」に…
週刊現代 プロフィール

取り違えが原因で死に至り…

「実は、つい2年前に83歳の男性患者がウチの病院で急死したんです。彼は脳梗塞を発症して倒れた後、半身麻痺の後遺症が残ってずっと入院していた。

80歳を超える高齢で脳梗塞とくれば、いきなり体調を崩してしまうのも無理はないと思うかもしれません。ですが、実態は違う。彼は看護師の取り違えが原因で死に追いやられたんです」(都内総合病院に勤務する40代の男性医師)

 

当時、男性患者が入院していたベッドの隣には、腎臓病で寝たきりの別の患者がいた。その腎臓病患者には「KCL」というカリウム製剤が投与されていた。

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「このKCLは過剰投与や急速投与を行うと、不整脈や心停止を起こす可能性がある。だからこそ、使うときは慎重にならなければいけない。ウチの病院でも患者に投与する際は点滴と一緒に、少しずつ体内に入れていく方法を取っていました。

ところが、ある時、看護師が脳梗塞患者にKCLを投与してしまった。彼と隣の腎臓病の患者を勘違いしたんです。しかも、KCLを腕の静脈から直接注射で流し込んでいた。最悪です。

そのせいで容態は急激に悪化。ものの1時間もかからないうちに死亡してしまいました。病院側は責任を回避するため、遺族には脳梗塞が急変したと説明していた。何も知らない遺族たちは病院に『最期まで処置してくださり、ありがとうございます』と感謝すらしていました。

こんな無法がまかり通ってしまうのかと、現場に居合わせながら恐ろしい思いでした」(同前)