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医療ミスで死にかけた人々〜薬を飲んでもよくならないと思ったら…

大半が「なかったこと」に…

城崎幸一郎さん(64)の体験談

「おかしいと思っていたんですよ。看護師から渡された薬を飲んでいたのに、症状が改善されないんですから。まさか、自分が他の患者と取り違えられていたなんて。ひとつ間違えると命だって落としかねない。笑いごとじゃ済まされません」

これは城崎幸一郎さん(64歳、仮名)の体験談。

残念ながら、患者にとって病院の中には安心できる場所などない。ミスをするのは、医者だけではないからだ。

 

城崎さんが神奈川県内にある中規模総合病院に通院していたのは1年前。突如、胸の中心から左側にかけて締め付けられる痛みを感じたので、診察を受けることにした。

検査の結果は狭心症。医者と相談して、血管を拡げるニトログリセリンや血液をサラサラにするアスピリン製剤などを服用して経過観察をする治療方針が決められた。そして帰宅時、看護師から処方箋が手渡されたのだった。

検査から1週間、城崎さんは規定量を守り、毎日薬を飲んだ。しかし、いつまで経っても症状はよくならず、胸部の痛みは消えなかった。

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「なんで薬を飲んでいるのに痛みが取れないのか。このまま狭心症が悪化するのではと、不安に苛まれました。それから3日後、次の診察日が来た。検診で担当医に病状を伝えても原因が一向にわからない。とりあえずもう1週間だけ様子を見ようということになりました。

診察が終わって処方箋を待っているとき、私のカルテを見ていた看護師の顔が青ざめていったんです。なんとその段階で、薬の処方ミスが発覚しました。

どうやら前回、看護師が私を同じ病院に通う解離性大動脈瘤の患者と間違え、まったく違う薬を処方していた。看護師は何度も平謝りしてきましたが、開いた口が塞がりませんでした」

幸いミスが明らかになったのは、城崎さんが薬の誤投与で倒れる前だった。だが看護師による取り違えで、患者が亡くなるケースだってある。