がんを発見できない医師…「診断ミス」で殺されかけた人々

薬の量を間違えて吐血…
週刊現代 プロフィール

和子さんは緊急入院となり、3度の切除手術を受ける。だが、とても根治には至らない。それどころか手術のたびに容貌が変わっていき、常にマスクで顔を隠すような生活を送るようになった。

「そんな状況でも、妻は気丈に振る舞っていました。それがかえって不憫で。日に日に弱っていく彼女を見るのは辛かった。結局、手術の甲斐もなく、妻は亡くなりました。

 

最初に受診した耳鼻咽喉科の先生を問い質しても、『結果的に誤診となったことは申し訳ない。でもウチには精密検査ができる設備はありません』と言い訳ばかり。なぜ、もっと早く見切りをつけなかったのか。悔やんでも悔やみきれません」

舌がんといえば、今年2月にタレントの堀ちえみさん(52歳)が罹患を公表した病気。堀さんのケースでも当初かかりつけの医師はがんを発見できず、口内炎と診断していた。がんとわかったときにはすでにステージIV。和子さんと同じだ。

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たしかに、舌がんは診断の難しいがんのひとつ。だが、和子さんはがんとわかるまで何度もSOSを出していた。最初の担当医には別の病気を疑い専門病院を紹介するなど、彼女を助ける他の選択肢が残されていたはずだ。

このようなケースではなく、もっと単純な診断ミスも巷に溢れている。

都内に住む池内幸三さん(78歳)は'17年、杉並区の肺がん検診で胸部レントゲン写真を撮影。そこにはがんの影が写っていたが、見落とされてしまう。実はこの検診ではレントゲンを撮った医師とは別の、肺がんについては門外漢の医者が写真判定をしていた。

当然、これは区が定めるがん検診実施要領に反している。そういった事情が絡み合って起きた医療ミスだったのだ。結果、検査当時はステージIだった池内さんのがんは、1年後の再検査で発見されるときにはステージIIIにまで悪化してしまった。