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がんを発見できない医師…「診断ミス」で殺されかけた人々

薬の量を間違えて吐血…
腎臓がん手術でミス、脳動脈瘤切除でミス、心臓弁手術でミス、カテーテル挿入でミス、腹腔鏡で大事故、レーザーメスで大やけど、虫歯の麻酔でミス、便秘の浣腸でミス ほか……。

「すぐに退院できます」「検査に異常はありません」「痛み止めで治ります」。医者のその言葉、本当に信用できますか。医療の現場では、信じられないミスが日々起きている。あなたも他人事ではない。
 

悔やんでも、悔やみきれない

「妻を亡くしてから、医者のことは信じないと心に誓いました。あの時、ちゃんとした治療を受けていたら、妻は今でも生きていたかもしれない。そう思うと、怒りが込み上げてきます」

東京在住の亀田彰さん(66歳、仮名。以下同)は、こう憤る。

医者を信頼して検査を受けても、誤診をされて取り返しのつかない悲劇が起きる。医者がミスを犯すのは、手術に限ったことではない。彰さんはつい半年前、長年連れ添った妻・和子さんを診断ミスで喪ったのだ。

きっかけは、日常会話で和子さんが「最近、口に腫れ物ができて痛む」と漏らしたことだった。当初、彰さんも大ごとだとは捉えず、軽い気持ちで近所の耳鼻咽喉科での診察を勧めた。そこでの担当医の診断は「軽度の口内炎」。塗り薬や内服のビタミン剤だけを処方され、家に帰された。

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「最初は先生の診断を鵜呑みにして、妻の症状を深刻に受け取らなかったんです。口内炎ならすぐ治るだろうと。でも、薬を使ってもよくならない。それどころか妻の痛みは増すばかり。

私のために夕食の用意をしてくれても、『口が痛いから食べたくない』と自分は食事を摂ろうとしないんです。さすがに心配になって病院に付き添っても、先生は『ちょっと治りが悪いだけ。大丈夫です』と同じ言葉を繰り返す。結局、また塗り薬とビタミン剤を処方されました。

それから3ヵ月が経っても、症状は悪くなる一方。絶対におかしいと、大きな病院の口腔外科に駆け込んだんです。精密検査をしたら、想像もしない診断が下されました。妻は舌がんと口腔がんを併発していた。しかもステージIV。目の前が真っ暗になりました」