しんかい6500(『深海──極限の世界』より ©JAMSTEC)

暑すぎる夏だからこそ、暗く冷たく静かな「深海」を考えよう

私たちはなぜこうも深海に惹かれるのか
猛暑が続きますね。さすがにもううんざりしている方も多いのではないでしょうか。そんな時には、涼しい部屋の中で本を読んで、深い深い思索の海に潜ってみるのがオススメ。
今回は、謎めいた「深海」へとあなたを誘ってくれる一冊の本を紹介します。

あまねく人を惹きつける「深海」の魅力

私は、「しんかい6500」やロボットで深海に潜る機会に恵まれている。そのたびに、「どうしてこんなところで生きていけるのかなあ」と思う。

向こうからすれば、陸上のほうが暑くなったり寒くなったり、明るくなったり暗くなったりするので、人間のほうがよっぽど過酷な環境で生きているように見えるかもしれないが。

深海探査艇「しんかい6500」 Photo by gettyimages
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「変な形の深海生物」、「ダイオウイカ」、「メタンハイドレート」、「レアアース」、「巨大地震の震源」など、最近、深海が話題になることが増えている。

イベントなどに参加する子供たちのなかには、深海生物博士のように深海生物の詳しい特徴や難しいラテン語の学名をすらすらと言って難しい質問をしてくる子がいるので、そのたびに冷や汗たらたらとなる。もちろん、たくさんの方が深海に興味を持ってくれることは、本当にうれしい。

 

皆さんからいろいろな疑問も問いかけられるが、なかには、

:「『しんかい6500』で6500メートルまで潜ったらすごい水圧でしょ。乗っている人間はペチャンコにならないの?」
:「なりません。人間が乗るコックピット(耐圧殻)は、頑丈なチタン合金でできていて、その中は大気圧なので陸上と同じ圧力です」

:「掘削船『ちきゅう』で海底の下深くまで穴を掘ったから巨大地震が起きたの?」
:「ありえません。映画や小説のフィクションを信じないでくださいね」

のような「ありゃまあ」といった質問まである。

深海生物の代表格、タカアシガニ
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「深海」展でできなかったことを実現するために

私たちは、2013年と2017年に国立科学博物館で深海をテーマにした特別展を開催した。