読むだけで病院に行くのが怖くなる、医療ミス「1380の実例」

「えっ、まさか」こんなに…?
週刊現代 プロフィール

他にも背筋が寒くなるような医療ミスは枚挙にいとまがない。

昨年5月、久留米大学病院で、70代男性に人工心肺をつけて心臓弁の手術が行われた。弁の回復治療自体は無事に成功したが、悲劇はその後に起こった。

 

血管に入った空気を出すため、人工心肺に吸引チューブを挿入したところ、入り口と出口が逆になっていたのだ。そうとは気付かずに大動脈に空気が送り込まれて血流が滞り、脳に酸素が行きわたらず、脳は萎縮。男性は一命を取り留めたが、手足の麻痺、高次脳機能障害が残った。

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同様の事故はこれまでも報告されていたが、同じ轍を踏んでしまった残念な例だ。一方、外科手術でよく使われている器具のせいで事故に巻きこまれることもある。東京医科大学病院で'16年、30代女性がレーザーメスが原因で、大やけどを負ったのだ。

レーザーメスはレーザー光線の熱を利用して、止血しながら切開する器具のことだ。女性は子宮の一部を切除する手術を受けていたが、膣内に可燃性の腸内ガスが入り込み、レーザー照射をきっかけにガスに着火。火は膣内から肛門付近まで広がり、患者の臀部の下に敷いていた手術用の布に引火して燃え上がり、臀部から両太腿に至る大やけどを負った。

とんでもミスで人生を狂わされた人もいる。三浦弘之さん(45歳、仮名)が話す。

「2年前、千葉県の総合病院で十二指腸潰瘍の手術を受けた後から、お腹が痛み、日に何度も下痢を催すようになりました。主治医に相談しましたが、『手術後によくあること』と、整腸剤を処方されるのみでした。

1年ほど経って、下痢の回数は一日5回、10回と増えていき、血便、嘔吐も伴うようになりました。そこで、別の病院で精密検査を受けたら、8~9cmの巨大な腫瘍があると診断されたのです。すぐに手術が決まりましたが、見込みは薄く家族は葬式の準備をしました。

ですが、いざ腹を開けてみたら腫瘍のように見えた影は、実はガーゼの塊だった。2年前の手術で、胃と脾臓の癒着を防ぐために差し込まれたものがずっと体内に残っていたのです。黒々と染まったガーゼはすでに脾臓と癒着してしまっていて、脾臓ごと摘出することになりました」

大手術ではない身近な治療でミスに遭うこともある。4年前に娘(享年12)を亡くした松本泰秀さん(42歳、仮名)が語る。

「私の娘は、虫歯の治療の際に使った麻酔薬が原因で亡くなりました。

治療後、娘は不自然にうとうとして、手足も震えていました。歯科医に聞いても、『施術後で疲れているんですよ』と答えるのみ。3時間後、全身が震えて高熱を出し、緊急搬送。2日後に息を引き取りました。

後にわかったことですが、娘は麻酔で急性中毒を起こしており、すぐに救命措置を取れば、死なずに済んだのです」

全身麻酔の危険性は周知の通りだが、局所麻酔も油断できない。急性中毒を起こした場合、特に子どもや高齢者は重篤な事態に陥りやすい。