読むだけで病院に行くのが怖くなる、医療ミス「1380の実例」

「えっ、まさか」こんなに…?
週刊現代 プロフィール

約半数を占めるのは手術によるミスで、開腹・開胸手術、腹・胸腔鏡など内視鏡下手術がその半数となっている。だが、注意すべきは外科手術ばかりではない。4位の経皮的血管内手術は、簡単と誤解されやすい手術の一つだ。

血管内手術は、動脈や静脈などの血管内に、カテーテルと呼ばれる直径2mm程度の細い管を挿入して、血管の内側から治療を行う手術のことを指す。

開腹などの外科手術を必要としないことが多いため、患者の負担が小さく、リスクも低いと思われがちだが、死亡事故は少なくない。

 

透析用のカテーテルの挿入で、家族が医療事故に巻き込まれた篠田佳子さん(43歳、仮名)が話す。

「父は、慢性腎不全で都内の総合病院に通院していました。67歳の時、腹痛で検査を受けたところ、緊急透析を行うことになりました。

ですが、恐ろしいことに、後期研修医の指導のもとで、医師免許を取ってからまだまもない前期研修医が施術していたのです」

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前期研修医は、国家試験に合格した後2年間、内科、外科、救急などを回る言わば見習い。しかも指導役もまだ研修医。このような若手だけで手術を行うのは極めて稀なケースだ。

「内頸静脈にカテーテルを入れる予定でしたが、カテーテルは静脈ではなく、鎖骨の下の動脈を突き破り、胸腔を刺した。父は、胸腔内に血が溜まる血胸で亡くなりました」(篠田さん)

ガーゼを体内に置き忘れる

「簡単な手術です」と言われると、つい二つ返事で同意してしまうが、そのせいで家族を失った遺族の悔しさはひとしおだろう。志村考典さん(52歳、仮名)が話す。

「父は、転倒が原因で、頭蓋骨と脳の間に血が溜まる慢性硬膜下血腫を患っており、88歳の時、血腫が大きくなったので都心の総合病院で手術を受けることになりました。

主治医には『脳外科としては初歩的な手術ですから研修医が執刀します。1週間で退院できますよ』と言われたので安心していました。ですが、手術後、その日の夜に事態は急変。急性硬膜下血腫を発症したと告げられ、5日後に父は死亡退院という形で帰宅したのです」

頭蓋骨の左右に2cmほどの小さな穴を開けて血腫を除去する手術自体は成功したが、その後の処置にミスがあったのだ。

通常なら、脳に生理食塩水を入れた後、両方の穴にチューブを挿し込んで排液を抜き、徐々に脳が膨らんでくるのを待つ。だが志村さんの時は、左側のチューブが塞がってしまっていた。そのために内圧が高まり、急性硬膜下血腫を引き起こした。執刀医が気付いて処置を施した時にはもう遅く、脳死状態になり死を迎えた。