遊んでばかりいる天才、空気を読まない人は「カッコいい」か否か

「カッコいい」とは何か大激論・後編
現代新書編集部 プロフィール

空気を読まずに有言実行

ヨネ:ここで、新しく編集部にいらしたニッシーさんにお願いしたいと思います。

ニッシー:僕は最近だと山本太郎、あとケイスケ・ホンダはカッコいいな。共通点は何かと思ったら、空気を読まないところかな、なんて。一番カッコいいと思っているのは、あんまり知られていないと思うんですけど、サンフレッチェ広島にいた佐藤寿人

サンフレッチェ広島時代の佐藤寿人(photo by gettyimages)

ショウ:ああ、知ってる。大好きです。

ニッシー:所属するチームがJ2に陥落すると、日本代表入りを狙う選手は移籍を考えるのが当時の常識だったんですけど。でも彼はサンフレッチェJ1陥落が決まった試合のときに拡声器を持って、サポーターに向けて「来年必ず優勝してJ1に戻る」と宣言したんです。

その後周りから「あんなことを軽々しく言うな」と批判されたらしいけれども、有言実行、彼はキャプテンとしてサンフレッチェをJ1に戻したんです。

あのクラスの選手だったら、浦和レッズで年俸1億ぐらいもらってもおかしくないと思うんだけど、サンフレッチェは貧乏なので5000万ぐらいで我慢している。日本人は空気読みすぎるところがあるので、当時それに逆らって行動した彼はカッコよく見えたのかな、なんて思いました。

ショウ:あとプレー中はいつも笑顔。

ヨネ:あっ、それ、大事なポイントだと思います! 先日、全英女子オープンで優勝した渋野日向子がとてもカッコよかった。毎日夜ふかしして生中継を最後まで見てしまったくらい、思い切ったプレーをスマイルで着実にこなしていて。観客へのサービス精神、優勝を決めたパット後の笑顔……もう、しびれました。

マル:それは「カッコいい」ではなく、単純に女子として「カワイイ」ということじゃないの?

ヨネ:うっ……カッコいいとカワイイの対比については、『「カッコいい」とは何か』第9章「それは『男の美学』なのか」で詳論されています!

マサ:はぐらかしましたね(笑)。

究極の選択

ハジメ:そうそう、女性でカッコいい人、誰かいないですか?

イッツー:思想界でよく挙げられるのは、ハンナ・アーレント、ローザ・ルクセンブルク、スーザン・ソンタグ

 

ショウ安室奈美恵とか。あれだけストイックにダンスを踊り続け、子供も育て、きっぱりと引退の道を選んだ。

ヨネ:安室ちゃんはたしかにカッコいい。

ハヤト:他には天海祐希ですかね。

イッツー:そういえば、田中美津さんはお会いしてみてカッコよかったです。ウーマンリブの時代に前線に立ってあれだけ活躍してきたのに、「田中美津です。針灸をやってます」って何も飾らずに自己紹介されて。そのギャップが響きました。

ヒロシ:あっ、言っていいかナ? 『グロリア』という映画に出てくるジーナ・ローランズって女優がいなせな姉御って感じで、カッコいいと思うんだよネ。

ハジメ:殺し屋みたいなの?

ショウ:そうです、殺し屋。マフィアの女なんですけど、男の子を守るんですよ。『レオン』はそれを参考にした。

ハジメ:でも『レオン』のほうが世の中的には浸透している。

ヒロシ:その監督でジーナの夫のジョン・カサヴェテス監督もカッコいいんですネ。ずっと独立系でニューヨークで作っていて、メジャーなハリウッドとは距離を置いていますからネ!!

ジュン:ヒロシさん、途端に熱く語りだしましたけど、最初のほうで、「カッコいいとか、嫌い」って宣言してませんでしたっけ?(笑)