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退職代行「大人気」、20~30代に広がる「コスパ意識」の恐ろしさ

オトナ世代はまだわかっていない
平賀 充記 プロフィール

20代の2割が「使ってみたい」

今や若者にとって退職はごく普通の選択肢である。

拙著『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)でインタビューした20代の若者たちも、大手、中小問わず、1社で定年まで勤め上げることなど、ただの一人も考えていなかった。

 

そんな彼らからすると、辞める際の会社とのやりとりなど、ほとんどムダでしかない。理由があるから辞めるのだし、もう辞めると決めている。たとえ引き留められても、お金を積まれても、モチベーションは上がらない。

それなのに上司に気を使って言い出せずにいたり、調整に労力を割いたりするくらいなら、お金を払ってさっさと辞めたほうがいい、というわけだ。これを合理的ととるか、身勝手な逃げととるか。ここに価値観の違いがある。

〔photo〕iStock

今の若者は、合理性や効率に強いこだわりを持っている。「考える前にググれ!」の精神で何かあればまずネットやSNSで検索して最適解を探る。

試しにグーグルで「退職 方法」と検索すると、1億2000万件もの情報がヒットし、「円満退職の知識」「円滑な退職方法」といった見出しがずらずらと並ぶ。

色々と面倒そうだなと思いながら順に見ていくと、退職代行の広告が目に入る。ちょっと上司には申し訳ないかもしれないが、余計な手間が省けるなら使ってみようか。若者にとってはそれが合理的なだけで、なんの悪意もない。

ツナグ働き方研究所で独自に行ったアンケートでは、20代の約半数が退職代行サービスを認知しており、2割が「使ってみたい」と回答している。

礼儀やマナーは大事だ。しかし若者はそれもわかったうえでなお、退職代行を使ったほうがいいと判断しているのではないだろうか。