おひとりさまがペットを守るために

あるとき、ネットで『ペットの為の意思表示カード』というものを見つけた。
ひとり暮らしでペットを飼っている人が、外出中に事故に巻き込まれて入院したり、最悪の場合亡くなるようなことになったら、家に残してきたペットの命も危うくなる。
だから、万一の場合、ペットの世話をしてくれる人や引き取ってくれる人の許可を得て、その人の連絡先をカードに記入して携帯しておこうというのだ。

自分に何かあった時のことなんて、誰だって考えたくない。
だけど確かに、ひとりでペットを飼っている人は、その子の命と幸せを守るために、万一のための備えをしておくことが必要かもしれない。

おひとりさまが、家族となる動物と一緒に暮らす場合、やはり一番心配なのは、自分が「我が子」を守ってやれない状況になった時のことだ。

動物を飼うということは、その生命と、その子の一生に責任を持つということ。私はその覚悟ができるまでに20年以上もかかった。

楽しいことばかりじゃない。動物を飼うことで自由を拘束されることもあるし、時間も労力も費やさなければならないだろう。ワクチン、健康診断、病気などの治療にかかる医療費やフード代。必要最低限でもある程度の費用は必要になる。
そして、どんなに愛しても、いつかは見送らなければならないという、大きな試練が待っている。だけど、それらはみんな、人間が動物たちと暮らすことでもらえる、幸せの「代償」だ

動物たちからは、それを支払っても充分おつりがくる程、たくさんの愛と楽しさと幸せをもらえるはず。それは、経験者の私が保証する。

素晴らしき哉、犬との人生!

22年前の夏、神様から預かったやんちゃなゴールデンレトリーバーは、私に愛することを教えてくれた。守ることを教えてくれた。
力いっぱい生きることの喜びを教えてくれた。
永遠じゃないからこそ、大切な時間を教えてくれた
今は2代目やんちゃ犬と、てくてくとことこ散歩の途中。

古い映画のタイトルみたいに、最後にカッコつけて言ってみよう。

素晴らしき哉、犬との人生!

私にたくさんの幸せをくれた天使たちに、
心からの、愛と感謝をこめて。

こりきと折原さん 写真提供/折原みと

おひとりさま、犬をかう』:「犬をかいたい」。幼い頃の夢を30代で叶えてから十数年、子犬の育児に悪戦苦闘し、湘南への移住と犬とともに変わった人生。「独身・家持ち・40代」漫画家&小説家がユーモアとやさしさたっぷりに書いたエッセイ。

折原みとさん最新刊『幸福のパズル』が文庫化されました。葉山を舞台に、4年の歳月をかけて取材・執筆した直球の恋愛小説です。