「サウナのブームはSNSとともに訪れた」サウナ人気の意外な歴史

「サ道」の伝道師・タナカカツキが語る
兵庫 慎司 プロフィール

#2 「ととのう」は古参サウナーが生んだ言葉

──以前から各地にいたサウナ好きの人たちが、SNSによってそれが可視化されたのですね。「ととのう」(※1)という言葉もその頃生まれたのでしょうか?
※1 サウナと水風呂の温冷交代浴によって自律神経が整ったように感じること。

タナカ:それはもう少し経ってからですね。最初は「恍惚」とか、「サウナトランス」とか、「ニルヴァーナ」とか、そういう言葉を使ってたんですけど、なんかちょっと違うな、と思っていて。そしたら、SNSで出会ったサウナーたちが「ととのう」という言葉で話しておられて。だから、僕が作った言葉じゃないんです。サウナ歴40年みたいな方の間で自然と使われていて、マンガを描くにあたってそれをピックアップしたという。

マンガ版『サ道』より

#3 フィンランド式サウナの普及はSNSのおかげ

──活字版の『サ道』を読み直すと、当時はまだ「ロウリュ」(※2)って一般化してないんですよね。
※2 フィンランド式サウナ入浴法。熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させることにより、体感温度を上げて発汗作用を促進する。

タナカ:そう、本にまとめる時に、ロウリュをやっている店が東京にあることを知って、そこに行って終わる、という内容にしました。ただ、サウナ施設自体の変化は、2009年あたりからすでに始まっていました。高温の乾燥したドライサウナが流行りじゃなくなって、じわじわとサウナ室の温度が下がり、ロウリュができるお店が増えていく、という変化が起きていたんです。

 

──そういった変化が起きたきっかけは?

タナカ:それもSNSです。サウナのオーナーさんがSNSの声を拾い上げて、サウナ室をリノベーションしたりしていました。サウナ施設も、SNSで利用者とリンクしながら変わっていったんです

──『マンガ サ道』に、サウナや銭湯のスタッフにどんどんアドバイスすることで店を改善していくお客が出て来ますよね。

タナカ:そう、ああいう人も各地にいるんです。というのは、サウナ施設って、支配人とかオーナーが、別にサウナを好きじゃない場合が多いんです。異動で急にサウナの支配人になった、とか。だから、サウナと水風呂と休憩スペースの動線がめちゃくちゃだったりするんですよね。そこで、サウナーがアドバイスしたりして、お店を作っていくという。

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