AVが間違ったセックスを広めている?

―― 男性向けAVが「間違ったセックス」を広めているという声もあります。

一徹:たしかに、今まで刺激的すぎるアダルトコンテンツがつくられることも多かったため、それに影響を受けて良かれと思って真似する男性はいると思います。AVが「間違った知識を正しいと誤解させてしまう原因」をつくってきた側面は否定できません。女性の意志も最大限に尊重した方が、互いに心地良いセックスができると思います。

ただ、いったん立ち止まって考えていただきたいのは、AVはあくまでもフィクションであり、エンタメであるということです。フィクションの一つとして、楽しんでもらいたいですね。例えば、他の映像コンテンツだと、映画『アウトレイジ』やジャッキー・チェンなどのアクション映画で行われていることをリアルの世界で同じようにやったら、確実に犯罪になりますよね(笑)。それと同じことだと思うんです。

〔PHOTO〕Yuki Uchida

―― 真似するほうが悪い?

一徹:いえ、もちろんそんなことはありません。セックスの場合難しいのは、バイオレンス映画みたいに「普通に暮らしていたら明らかに拳銃は手に入らない」というようなわかりやすい線引きがない。フィクションと現実の境目がわからなくなってしまう傾向はあると思います。だから、作り手も配慮しないといけない。

今ではAVの世界でも、女性が台本を書いたり、ディレクションするなど、現場の最前線に立つようになりました。だから女性向けAVのあり方を通して、「こういう選択肢もありますよ」ということを、僕たちがお見せしていけるといいなと考えています。