―― 撮影時のルールとして性的同意に取り組まれていたとしても、AV作品の中では性的同意の演出はあまりなされていない印象があります。

一徹:これは僕の個人的な考えですが、AVに関しては、現場で性的同意がなされていれば、作品の中身はある程度自由でいいと思っています。男性向けAVでも女性向けAVでも、「ちょっと強引なプレイ」の作品は定番です。日本最大級のアダルトポータルサイト「FANZA」が実施した「性に関する統計調査」(2018年)でも、女性がインターネットで検索する人気の「性的ワード」の第2位が「痴漢」であることからもわかるように、強引なプレイは女性からも需要があるんです。

今回書かせていただいた『セックスのほんとう』でもお伝えしたのですが、今はちょうど、男性向けと女性向けの需要がボーダーレスになろうとしているところがあります。

「好意の確認」を意識した作品も

―― 女性向けAVでも、「性的同意」はあまりなされていない?

一徹:そこは作品によりますね。「こういう段取りで、セックスへの同意を取り付けましょう」といった明確なガイドラインがあるわけではありません。ただ、僕が長く専属で出演していた「SILK LABO」というメーカーでは、「好意を確認し合う」「セックスの前段階に、お互いに好意がある」ことをベースとした作品作りをしています。

だから、たとえ筋書きが合コンで知り合った男女のワンナイトラブや不倫、嫉妬による強引なセックスだったとしても、「双方に好意がある」「男女ともに好意を感じられる」というように、台本・ディレクション・演者すべてが工夫されていました。

〔PHOTO〕Yuki Uchida
―― メーカーによって作品のカラーが違うのですね。「SILKLABO」はコンドームをつける描写もある、と聞いたことがあります。

一徹:はい、「SILKLABO」や僕が立ち上げた「RINGTREE」というレーベルでは、世間への啓蒙の意味も込めて、コンドームをつけるシーンを入れています。ファンの方からは、「大事にしてくれているように感じる」という感想が多く、好評です。

中には、コンドームをつけている間、どう振る舞っていいかわからないという女性もいるので、その一例として、キスをしながらつけるとか、あるいは女性が男性につけてあげるということも良いのかなと思います。