「Amazon Go」の外にホームレスがずらり…テック大国の真実

米国ベイエリアの光と影
岡村 聡 プロフィール

テクノロジーに取り残された人たち

サンフランシスコはいまやホームレスの数が全米でも最も多い都市の1つになってしまっており、街の中心部ではブロックごとに複数の姿を見かけました。

サンフランシスコでは話題の無人スーパーAmazon Goを訪れ、その画像認識の正確さと時間効率の高さに感銘を受けましたが、Amazon Goから一歩外に出るとホームレスの姿がすぐ目に入り、最新テクノロジーと取り残された人たちとの残酷なまでのギャップという、ある意味現在のベイエリアを象徴する光景も広がっていました。

Amazon Go〔photo〕著者撮影

エンジニアを中心としてテック企業の報酬はうなぎのぼりで、そうしたエリートたちに人気のサンフランシスコ中心部では、50-60㎡しかないスタジオや1ベッドルームの家賃が月50万円を超えることも珍しくありません。

家族で生活する2ベッドルーム以上は80-100万円からさらに高くなるために、テック長者や大手テック企業で働くエリートエンジニアしか市の中心部には住めないと、一般的に見ればとても高報酬であるはずのプライベートバンカーたちもこぼしていました。

 

グーグルが上記のマウンテンビューの本社開発の一環として1万戸もの住宅を整備し、その一定割合は低所得者でも利用できる住居とすると発表しましたが、まさに焼石に水という感じです。住宅・家賃価格が上昇するとベイエリア全体でさらにホームレスの数は増え、AIの利用シーンが増えて省人化が進むと格差もより拡大していくでしょう。

21世紀におけるテクノロジーの計り知れないポテンシャルを感じさせてくれる一方、テクノロジーの恩恵を全面に受けている人と取り残された人たちとの強烈な格差がクリアになっているベイエリアの現状は、今後グローバルで起きていく社会トレンドの前触れであるように感じました。