「Amazon Go」の外にホームレスがずらり…テック大国の真実

米国ベイエリアの光と影
岡村 聡 プロフィール

帝国化するGAFA

もちろん、こうしたIPO銘柄だけでなくGAFAの株価や業績も好調です。GAFAの内、シアトルに本拠を置くアマゾンを除く3社がベイエリアに拠点を置いています。ちなみにアマゾンと同じくシアトルに本拠を置いているマイクロソフト、GAFAのG(グーグル)と2つのA(アマゾン、アップル)の4社が時価総額で見た世界トップ4をここ数年安定して占めています。

最近では日本でも広く報道されている通り、あまりに強くなりすぎたこれら米国のメガテック企業への反発は強まっています。EUは独禁法や情報保護法を適用して度々巨額の制裁金を課していますし、日本政府も国内事業者の保護の観点から独禁法の適用を検討しています。

ただ、現地で視察する限りGAFAに代表されるメガテック企業の勢いに微塵の陰りも感じられません。今回の訪問では2017年に50億ドル(約5,400億円)の巨費を投じてアップルが完成させたアップルパークと呼ばれる本社施設を見学しました。

 

アップルパークの目玉は、直径500メートルの完全な円形をした建造物です。1つの建造物としてはその大きさもかかったコストも人類史上最大級でしょう。あまりに大きいため近くを訪れてもその全容は見渡せません。

アップルパーク〔photo〕著者撮影

この本社施設を訪れる観光客も多いので、瀟洒なビジターセンターが完備されていてアップルパーク全体の模型が展示され、階上から上記のリング型の本社ビルも見られるようになっています。

このビジターセンターにはアップルショップとカフェまであり、世界中から多様な人種の観光客が多数集まっていて、まるでグローバル資本主義における聖地巡礼のような様相を呈しています。私も小さな紙コップ1杯のカフェラテに500円ほど払い「お布施」をしてきました。

50年程前にヒッピーとオタク然とした2人の若者が始めた会社が今やこのようになっていることに感慨を覚える一方、まるでSFに出てくる悪の巨大施設のような威容に、帝国化する米国のメガテック企業の本質が表れているという思いも持ちました。