「Amazon Go」の外にホームレスがずらり…テック大国の真実

米国ベイエリアの光と影
岡村 聡 プロフィール

20代、30代の「テック長者たち」

2019年前半だけでも、記事執筆時点の時価総額で大きい方から、配車アプリ世界最大手のウーバー(約8.0兆円)、ビデオカンファレンスアプリの大手ズーム(約2.9兆円)、ウーバーと同業の2番手リフト(約2.0兆円)、チャットアプリのスラック(約1.8兆円)、画像SNSのピンタレスト(約1.5兆円)、代替肉のビヨンドミート(約1.1兆円)と、続々とメガIPO(新規株式公開)が行われています。

日本企業と時価総額で比較すると、ビヨンドミート以外は100位内にランクインしてきますし、ウーバーに至ってはトヨタ、ソフトバンク、NTT、NTTドコモという誰もが知っている企業に次ぐ5位に相当します。こうした巨大な価値にまで創業からわずか10年程度で成長し、続々と上場していることからも米国経済の底知れないパワーを感じられます。

 

そして、この中でウーバー、リフト、スラック、ピンタレストがサンフランシスコに、ズームもサンフランシスコから車で1時間ほどのサンノゼと、ビヨンドミート以外の全てのメガIPO企業がベイエリアに本拠を置いています。

他にも同じくベイエリアに本拠を置く民泊世界最大手のエアビーアンドビー、オフィスシェアの世界最大手ウィワーク、ビッグデータ解析サービスのパランティアなどが、近い将来に数兆円単位の時価総額でIPOすることが確実視されています。

〔photo〕gettyimages

好調な米国株式市場の恩恵を最も受けているので当然ですが、今回の訪問でミーティングをしたベイエリアに拠点を置く大手のプライベートバンキングの担当者たちも、富裕層向けの金融サービスはとても好調だと口をそろえていました。

100万ドル(約1.1億円)以上の投資可能な金融資産を持つミリオネア(億万長者)も、上記のIPOラッシュを通じて新たにたくさん誕生していて、ウーバー1社だけで1,000人近く、上記のIPOを全て合算すると5,000人以上の億万長者が誕生すると見られています。

そのほとんどが20代・30代の若者ですから、その多くが得た資産の一部を次世代のテックスタートアップへの投資に回し、それが中長期的に次のメガIPOを生むことになり、ベイエリアのスタートアップを取り巻く生態系は益々拡大していくでしょう。