終身雇用「大崩壊時代」に生き残るリーダーは、意外とこんな人だった

愛ある経営者であれ
北野 唯我 プロフィール

社員をプロデュースする企業が生き残る

社員の満足度を上げようと、副業を解禁する企業も増えました。しかし、場合によっては会社業務よりも副業を優先されるかもしれず、結局企業にはメリットもなかったということになりかねません。かといって社員の外部活動を縛るといった、前時代的な取り組みを強化するわけにもいかないのが企業側のもどかしいところです。
 
そこで、これからの企業に必要なってくるのは、社員の才能をプロデュースするという視点です。縛り過ぎず、自由にさせ過ぎないという絶妙なバランスで社員の才能をマネジメントできるか。これが企業の業績と社員の満足度をリンクさせるひとつの解決策になるはずです。

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日本の有名企業のなかで、人材プロデュースが抜群にうまいのがサイバーエージェントです。もともと彼らは、自社の企業文化に共感する人材を採用することに長けていますが、近年凄まじいのは「入社後の育成力」です。

同社は日本ではまだ少ない、採用や人事育成に携わる人事と経営をつなぐ「最高人事責任者(CHRO=Chief Human Resource Officer)」という役職を設け、人材採用と育成にかなり力を入れています。

私が同社CHROの曽山哲人さんにインタビューをした際、育成においては「社員の才能を開花させる」ことを重要視していると語っていました。わかりやすい例を挙げると、若手にマネージャーや子会社役員などの肩書きを与えて、比較的大きな裁量のなかで決断経験をさせるなどです。

 

また、自社開発の従業員のコンディション変化発見ツールを活用することで、常に社員の異変を見逃さないようにしています。人事部は毎週500〜1000人分の社員コメントを確認し、特に気になる200人には個別にやり取りをするほどの徹底ぶりです。

日々蓄積された社員データは、異動案の分析にも使われ、優秀な人材がより成長できる環境を用意することにも余念がありません。ネットサービスという無形の商品を扱っているからこそ人材育成の重要性を認識している同社は、ネット広告の雄でありながら、人材育成のモデル企業でもあると言えるでしょう。