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終身雇用「大崩壊時代」に生き残るリーダーは、意外とこんな人だった

愛ある経営者であれ

終身雇用は死んだ

「正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと思っているんです」

今年4月に経団連の中西宏明会長が記者に対して語った言葉です。その後も、5月の経団連の定例記者会見で終身雇用の制度疲労について触れ、一連の発言は大きな話題となりました。「そんなの知っていた」「あなたたちの世代だけ得してズルい」「これからどうなっていくのか」など、個人やメディアの反応は様々。共通していたのは、ポジティブな反応がほぼなかったということです。

しかし、私はこの中西会長の発言にリーダーとしての愛を感じました。誰も言いたくないけれど、言わなければいけない真実をまっすぐ伝える。それはリーダーの大きな役割のひとつです。

私は今年中に2冊の書籍発売が控えています。ひとつは「リーダーの愛」、もうひとつは「企業評価の透明化」がテーマです。これからの企業を語る上で、この2つのキーワードは間違いなく外せません。

なぜなら、愛なき経営者によるうわべだけの改革は、企業に関する口コミがオープンになっていくなかで、いとも簡単に暴かれてしまうからです。大転職時代が訪れるにあたって、社員が企業を見る目はますますシビアになっていきます。

視界不良がつづく日本の企業環境を捉えるためにも、愛ある経営者の重要性と企業のあり方について、改めて迫っていきましょう。

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愛ある経営者ってどんな人?

冒頭の通り、経団連の中西会長は終身雇用の限界を明言しました。しかし、すでに多くの人がその真実に気がついていたのではないでしょうか。つまり、認識としては「終わっていた」という方が正しく、あとは宣言するか否かの状態だったわけです。

では、なぜ今まで誰も真実を伝えてくれなかったのでしょうか。ずばり「愛がなかったから」に尽きると思います。

 

世の中のシステムを根本から変えるような大改革を起こすとき、必ず大きな反発が待ち受けています。愛なき経営者は、批判の矢面にたってまで正しいことをしようという覚悟がありません。そこには経営者としての器の大小も関係ありますが、より根深いのは組織の構造的な問題です。

すでにある程度の成長を達成した企業は、既存事業を拡大させるという「再現性」の世界で仕事を回します。再現性に求められるのは、失敗せずに常に同じアウトプットが出せること。失敗や批判をうまく避けられた人間がどんどん出世していく組織構造になり、経営側もそのような人材ばかりになってしまいます。大改革などもってのほか、ということです。

一方で、愛ある経営者とは、たとえ周囲からの批判にさらされようとも、社会や組織にとって正しい行動をする人物だと私は考えています。