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「自分のお金になぜ手数料がかかる?」無料送金にこだわるプリンの挑戦

現金のストレスをなくして社会を変える
マネー現代編集部 プロフィール

これから稼げる人=社会に貢献できる人

送金サービスや決済サービスの競合がひしめく中、プリンが面白いのは、送金や決済の先にある未来のコミュニケーションや働き方を描いてサービスを設計しているところだ。

「これからの時代は、お金の流れで信用を可視化できるようになります。1つの組織だけじゃなく、もっといろいろなコミュニティーでお金が回る世の中になるはずです。複数のコミュニティーに所属して、そこでそれぞれの力を発揮して社会に貢献していく。そして対価としてお金を得ていく。自分の評価や評判が上がれば、また別のコミュニティーで『面白い人がいるよ』と紹介されてつながりが広がっていく。逆に言えば、信用が簡単に見える化してしまう分、他者に貢献できる人じゃないと生き残れない世の中になりつつあります

他者貢献。確かにプリンのサービス自体も、徹底的にユーザー目線で作られていて、この発想に貫かれている。この点については、荻原さんのユニークなキャリアが大きく影響しているようだ。

 

「いろんな属性の人と幅広く付き合ってきたこと、仕事をしてきたことが大きいかもしれませんね。もし新卒で銀行のような世界に入っていたら、そもそも手数料の高さにも疑問を持たなかったかもしれません」

「それに板前をやっていたときも、エンジニアをやっていたときも、小さい会社だったから当然福利厚生なんてない。スキルアップも自腹が当たり前の世界でやってきました。一方で大企業では、大して働かないおじさん達が、自分よりも高い給料を安定してもらっている姿もたくさん目の当たりにしてきました。だから自然と、自分の何が社会に貢献できるのか、ということにいつも敏感だったのでしょう」

これから稼げる人とは、社会に貢献できる人、と言い切る荻原さん。具体的には、どんなことをしていけばいいのだろう。

「自分の何が社会に貢献できるか。やっぱり、そういう視点で自分の価値を客観的に棚卸していくことだと思います。例えば営業が得意だとして、『営業ができます』じゃないんですよね。もっと細分化して『初対面の人に電話でアポを取るのが得意だ』とか、『ギリギリの商談の時にハッタリをかまして案件をゲットするのが得意だ』とか、そういうことが価値になる。それが何なのか、自分で見つけて磨いていてく。その繰り返しではないでしょうか」

最後に、「自分の価値の棚卸」についてコツを伺うと、こんな答えが返ってきた。

「僕が社会人になる頃は、就職氷河期の時代でした。とりあえず料理をやってみたいなと思って、なんとなく板前の世界に飛び込んで、一応全力で3年間やりました。でも、向いてないことがわかったので転職したんです。ただ、その3年間に、接客よりは作る方が楽しいという感触は得られました。料理を作って、彩りなんかも考えながら盛り付けるところは、向いているなと」

「エンジニアは、仕事にやりがいを感じていましたが、当時天才プログラマーの才能を見せつけられて、自分に限界を感じるようなりました。僕が書いた10行のプログラムを、彼は4行で書いてみせたんです。エンジニアの才能って、抽象化の技術だなと思うんですが、僕のプログラムには無駄があるし、抽象化できていない部分もあった。自分の頭で考えながら動いていると、そういう気づきを繰り返し得られるようになります。そうするうちに、自分の好きなこと、向いていること、価値が何なのか、というのはきっと見えてくるはずです