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「自分のお金になぜ手数料がかかる?」無料送金にこだわるプリンの挑戦

現金のストレスをなくして社会を変える

仕事帰り、手持ちの現金を見てあわてて銀行のATMでお金を下ろすと、しっかり引かれている手数料。「自分のお金を下ろしただけなのに…」と釈然としない人もすくなくないのではないか。

それでも、そういう決まりだから、という常識に異を唱える男がいる。送金アプリ「pring(プリン)」を開発した、株式会社pring代表取締役CEOの荻原充彦氏。もともとは銀行の立ち上げにも関わり「手数料ビジネス」のうまみを知り尽くしていた彼が、手数料ゼロ円にこだわる理由とは?

取材・文/黒川なお、撮影/白井智

お金のやり取りにまつわる、すべての手数料がタダ

「送金、受金、決済はもちろん、ATMの現金引き出しが、1円から無料です」

こう言われて、ピンとくるサービスを思い浮かべる人はどれくらいいるだろう。

銀行の手数料無料の枠といえば、いいもので「月に数回」などというのが一般的で、それを超えると、108円(税込み)なり、216円(税込み)といった手数料が当たり前のようにかかる。

副業の解禁が進み、SNS投稿やフリマアプリなどで簡単に小遣い稼ぎができるようになった今の時代、お金のやり取りにまつわる手数料がすべて無料というのは、かなり魅力的なのではないだろうか。

これを可能にしたのが、2018年3月にサービスをリリースした無料送金アプリ「pring(プリン)」だ。スマホでメッセージを送るような感覚で、簡単に相手とお金のやり取りができる。しかも、それに伴う手数料が無料なのだ。

・お金を送る⇒手数料0円
・お金をもらう⇒手数料0円
・お店でお金を払う⇒手数料0円
・プリンにお金をチャージする⇒手数料0円
・銀行口座で現金化する⇒手数料0円(1日1回)

と、気持ちいいくらい「手数料0円」が並ぶ。

 

「自分のお金を動かすのに、例えば銀行のATMで土曜の夜にお金を下ろすと216円かかります。1000円をリモートで送るにも、振り込み手数料が216円かかります。これって何かおかしいなってずっと思ってました。お金を動かすだけなのに、どうして手数料がそんなにかかってしまうのか。そこで僕らは、『お金の通り道の摩擦をなくそう』というビジョンを掲げて、プリンを立ち上げたんです」

こう話すのは、株式会社pring代表取締役CEOの荻原充彦さんだ。

板前、ITエンジニア、大和総研で「大和ネクスト銀行」の立ち上げ、DNAで決済サービス代行会社の運営、メタップスで決済プラットフォームの運営。

かなり異色の経歴を経て、2017年5月、メタップスグループで新たにプリンを立ち上げた。