2019.08.04
# 香港

警察の凄絶な暴力と闇に怒る市民…「香港の今」を日本人は知らない

デモは、新たな段階に入った
ふるまい よしこ プロフィール

白いTシャツの男たち

夜10時40分頃、地下鉄の元朗駅に白いTシャツを身に着けて、水道パイプや棒、籐の枝などを手にした数百人の男たち(以下、白Tグループ)が現れ、そこにいた人たちに問答無用で襲いかかったのである。

白いTシャツの男たち〔PHOTO〕下記のFacebookの動画より

当初は、デモ帰りの黒Tシャツ姿の人を狙ったと思われたが、実際には一定年齢以上の男女が標的にされた。狙われた人々は威嚇、包囲されて、白Tグループが手にしていた武器が振り下ろされた。駅にいた市民は驚き、手にした雑物を投げつけて抵抗をみせたが、白Tグループはあっという間に改札を突破、逃げ惑う市民を追いかけてそのまま上階にあるプラットホームへとなだれ込んだ。

運悪く、その時はプラットホームに電車が入っており、人々が乗降中だった。車内に逃げ込んだ市民たちを追いかけて白Tグループも車内へ突入。ここでも周囲を威嚇しながら男性乗客に殴りかかり、車内は阿鼻叫喚の騒ぎとなった。

この間、5〜6分ほど。電車は何度かドアの開閉を試みた後、乗客全員に下車を命じるアナウンスが流れ、恐怖に怯える乗客たちを下ろすとドアを閉めて発車し、駅を去ってしまう(このことで運営会社の地下鉄公司は、「乗客を見捨てた」と市民たちの激しい非難にさらされた。また指示を出したとされる中央コントロールセンターと経営陣の謝罪を求める激しい声が地下鉄公司の内部からも上がっている)。

プラットホームに残された乗客とけが人たちは、電車が出ていくと同時に歓声を挙げて去っていった白Tグループの姿が完全に消えるのを待って改札階に移動した。

白Tグループを目で見送りながら、まだ恐怖と不安で駅構内が騒然としていた時にやっと武装した警官隊20人あまりが姿を現す。このとき時刻はすでに11時20分。しかし、白Tグループは駅構内からすっかり姿を消していた。

 

膨らむ、警察への不満と疑惑

わたしも含めて現場にいなかった人間がこの襲撃の様子を知ったのは、香港島の現場に向かう途中に元朗デモの状況を確認するため同駅に降り立った、オンラインメディア「立場新聞」の記者による動画生中継だった。撮影の間に彼女自身も襲撃されてケガを負ったが、それでも白Tグループを追いかけてプラットホームに上がり、彼らが車内を威嚇する光景、撤退する様子を流し続けた(この中継動画は「立場新聞」のフェイスブックページで確認できる)。

駅員らにで詰め寄る市民たちに対して、警官隊は地下鉄公司がすぐに元朗駅に止まらずに運営を続けることを決定したと駅から出て行くよう命令。だが、まだ駅ビルの外に白Tグループが待ち伏せしているのではないかと怯える市民を怒鳴りつけたり、冷たくあしらったことが、中継を見ていた市民の怒りを増幅した。

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