老後2000万円問題、サラリーマンが金融商品より「投資」すべきもの

人生最大のリスクを回避するために
佐藤 敦規 プロフィール

年金分割は請求しなければ貰えない

平成28年度(2016年度)に行なわれた「離婚分割」の件数は、2万6,682件である(日本年金機構)。

同年の離婚件数は21万7000人「厚生労働省が作成した人口動態」と言われているので、利用率は高いといえない。

 

前述したように厚生年金のみを対象とする制度なので夫婦ともに基礎年金にしか加入していない場合は、分割するものが発生しないということもある。

最大の理由は、離婚すれば自動的に貰えるわけではなく、請求しなければならないことであろう。

裁判所の手続によらない協議離婚の場合の大半が年金分割の請求をしていないとも言われている。

制度自体を知らないという人も多いと思われる。離婚が成立した翌日から2年間で年金分割を請求する権利は消滅してしまう

年金分割を請求するためには、「年金分割のための情報提供通知書」という書類が必要である。

情報提供通知書は、年金分割の対象となる期間やその期間における夫婦それぞれの標準報酬月額・標準賞与額、按分割合を定めることができる範囲など、年金分割を行うために必要な情報が記載された書類だ。

情報提供の請求は夫婦が共同で行うこともできるし、どちらか一方が単独で請求することもできる

この記録を基に夫婦間で話し合う。合意がとれなければ、調停や審判、裁判で決定することになる。離婚前に請求することもできる。

また再婚しても分割により増加した年金を貰う権利は消滅しない

老後資金の2000万円不足の問題が浸透したことにより、年金分割の件数も増えるであろう。

金融機関だけでなく、離婚を専門に扱う弁護士にも恩恵をもたらすかもしれない。