「スマホで負けた」ブラックベリーが「自動運転」で大復活できたワケ
キーマンが明かした世界シェアトップだった「ブラックベリー」
スマホアプリに目的地を入力するだけで無人の車が目の前に停まり、目的地に連れてってくれる。ハンドルを握る必要もなく、運転免許も不要。そして、自分を目的地に降ろしたら勝手に駐車場に移動して充電器に接続し、チャージしながら待機する。
そんな「自動運転社会」は、いつやってくるのか。その鍵を握るのが、意外にもかつて人気だったあの「キーボード付きスマホ」の会社であるということをご存じだろうか。

以前、カナダのブラックベリー(BlackBerry)という携帯電話が人気だったのを覚えているだろうか。情報携帯端末(PDA)に音声通話とeメール、ブラウザ閲覧等の機能を持たせた世界最初のスマートフォンである。以前は独自のBlackBerry OSが搭載されており、タッチスクリーンではなくPCと同じ配列の小さなキーボードが付いているのが特徴だ。
ブラックベリーが世界初のスマホを発売したのは、iPhoneがリリースされる5年も前の2002年のことだった。ブラックベリーの革新的なモデルは非常に高い評価を受け人気を博したが、そのユーザーは公的機関やビジネスユースが主だった。iPhoneが世に登場するまでは、スマートフォンは一般ユーザーには広まってはいかなかった。
BlackBerry OSを搭載したスマホは暗号化技術が高く強固なセキュリティを有していて、信頼は高く、2010年ごろまで世界シェアトップであった。各国政府や金融機関等で使用され、オバマ元大統領も使っていたそうだ(現在も使っているかもしれない)。
政府要人や金融機関で多く使われている一方、活動家にも重宝された。特に2011年にエジプト革命を含む「アラブの春」や、同年に起きたイギリス暴動が実現したのも、軍や警察のサイバー捜査でも追跡不可能な高い暗号化技術を持つブラックベリーのおかげであったと言われている。
しかし、である。