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9/11を経験したミレニアル世代の僕が原爆投下を正当化してきた理由

アメリカ人学生が聞かされてきたもの

1945年8月6日広島に、そして8月9日に長崎に原子爆弾が投下された。74年経つ今も、その傷跡は大きく残る。

戦争の記憶 コロンビア大学特別講義―学生との対話―』(講談社現代新書)には、日本近現代史を専門とする米コロンビア大学のキャロル・グラック教授がコロンビア大学で多様な学生たちと「戦争の記憶」について対話をした全4回の講義と、書きおろしコラムを収録している。

 

対話式の特別講義には、コロンビア大の学生11人~14人が参加した。育った場所が日本、韓国、中国、インドネシア、カナダ、アメリカ各地と国際性に富んだ彼らが、一人ひとりの視点から原爆も含めた「戦争の記憶」を語っている。アメリカ人学生スペンサー・コーヘン氏は、この対話に参加した1人だ。

アメリカの18~29歳の若年層では、原爆投下を「間違っていた」と考える人が45%であるのに対し、「正しかった」と考える人もほぼ同数の41%存在する(2015年の調査)。そしてコーヘン氏も、「正しかった」と考えていた一人だった。しかしこの対話を通して、自身がそれまで抱いていた原爆への意識が、大きく変化したという。

それはどういうことなのか。コーヘン氏に寄稿してもらった。

コロンビア大学でのスペンサー氏 Photo by Q.Sakamaki
Spencer Cohen(スペンサー・コーヘン)94年、ニューヨーク市生まれ。2018年、米コロンビア大学歴史学部卒、現在は東京大学大学院情報学環・学際情報学府にて「記憶の歴史」をテーマに研究中

文/スペンサー・コーヘン 翻訳/小暮聡子(ニューズウィーク日本版)

原爆投下は必要だったと信じて育った

私がまだ小さかったころ、義理の祖父であるハロルドはよく「戦争」の話をしてくれた。ニューヨーク州郊外にある祖父の小さな別荘で、目の前に池が広がるベランダの椅子に腰かけながら、私は彼に、アメリカ軍の軍服を着ていたころの話をせがんだものだ。両親や弟や祖母は迷惑そうだったが、私は祖父の話を聞くのが楽しみだった。

コーヘンの義祖父ハロルド・チェンベンはコロンビア大学などで心理学を教え、2017年に97歳で他界した(2013年頃、ニューヨーク州郊外の別荘)写真提供/Courtesy Cohen Family