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前立腺がん急増で間もなく「男のがん」トップに…背景と死なない方法

医師が教える有効な検査

2020年には「男性のがん」トップに

前立腺がんと聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか。胃がんや大腸がんなどに比べてあまり知られていないかもしれませんが、男性がかかるがん全体に占める割合は高く、多くの男性にとっては決して他人事ではありません。

しかも今、その前立腺がんが急増していると言えば驚かれるでしょうか。

その勢いはすさまじく、このままいけば、2020年以降には男性がかかるがんのトップになると予想されています。発見が遅れ、骨などに転移すると激烈な痛みを生じ、場合によっては死に至ることもありますが、実はこの病気、2000円ほどの検査で早期発見の端緒をつけられて、早く見つかればほぼ死なずに済むらしいのです。

 

前立腺がんはどれほどの勢いで増えているのか。そして、その背景には何があるのでしょう。また、前立腺がんは具体的にどうすれば早く見つけられるのでしょうか。

この病気の治療を専門にする東京慈恵会医科大学泌尿器科の頴川晋(えがわ・しん)教授に聞きました(以下、「」内は頴川教授の発言)。

前立腺がんについて解説してくれた東京慈恵会医科大学泌尿器科の頴川教授〔PHOTO〕頴川教授提供

前立腺は命をつくるために不可欠な臓器

そもそも、男性特有の前立腺はどんな機能を持つ臓器なのでしょうか。

前立腺は尿がたまる膀胱の下にあり、尿道を取り囲むように位置する臓器です。医療機関のサイトにはよく「栗の実くらい」「15g」とその大きさと重さについて表現されていますが、頴川教授によると、これらは20歳ほどの若い成人の場合を指すそう。

40歳以上のおよそ8割は前立腺が大きくなる前立腺肥大症にかかると考えられているため、加齢に伴って徐々に大きく、重くなるといいます。

前立腺の位置と構造を示すイラスト(頴川教授提供)

前立腺の機能について頴川教授はこう話します。

「大きな特徴は、精液を構成する成分の3分の1を作っていることです。前立腺の分泌物には精液をドロッとした半固体の状態に保たせる働きがあるため、精液が女性の膣の中に留まりやすくなります。つまり、前立腺の機能によって妊娠する可能性が高められているのです」

栗の実ほどの小さな臓器が、実は人間の命をつくるために大切な役割を果たしているわけですが、この前立腺に起こるがんが今、増えているといいます。