子どもたちが「不便な場所」で得るもの

そして、その自由は、不便だからこその自由でもあると子どもはどこかで気づく。
自然の中は家の中と違って何でもそろっていない。クーラーがなければストーブもない。不便さと何が起こるかわからない自然まで相手にしなくてはいけない。

天候が変わりやすいので、遊びに夢中になって雨に降られてびしょぬれでテントに帰りついたとしたら、次は「風が出てきたから雨が降るね」などと風や空の様子を感じながら遊ぶようになる。
急な夕立がくれば、テーブルやいすをたたんでビニールシートをかけるとか、何をどこに移動させるといった作業を、家族や仲間と協力して迅速に行なう。

自分たちで工夫しないと快適に暮らせない環境だからこそ、自分がちで考えようとできるのだ Photo by iStock

火を灯すというほんの些細なことでも、いくつもの挑戦を味わう。木の枝が湿っていて火がつかない、風が吹いてマッチが消える。手間と時間がかかる。昼食を作るために枯れ枝を集めに行けば、夕食を作る分もついでに拾って行こうなどと経験を積むうちに考えるようになる。すべての体験が、自分で考え判断する力や段取り力につながる

キャンプサイトを歩くと、「こんばんは」とか「おはようございます」などとあいさつを交わす。これもすごくいいことだと思う。
ごみ捨てや、焚火をした後の炭置き場、どこで何をしてはいけないなど、守らなくてはいけないルールもある。コンプライアンスも学ぶ

ただし、最初からテントやコテージがあり、ライトや寝袋など道具もすべて整備された、今流行の「グランピング」は別物だと考えてほしい。初心者の入口にはいいかもしれないが、不便さがあってこそ大きな効果がもたらされるのだから。

もうひとつ。本当に経費削減になるかどうかは、わからない
テントやライトなど、次々と素敵で便利な道具やグッズが出現するからだ。拙宅では、家の隅にキャンプ道具の物置まで作ってしまった。

子どもたちが大きくなったいま、キャンプの機会はほぼない。
「次は孫だ」が、夫の口癖。三世代でキャンプもいいよね。