他にも仕事中の会話で気をつけなければいけないことがあります。
たとえば、Eさんは、営業成績が良く、とても仕事ができる人でしたが、社内のアシスタントや他部署の人に対する不満をよく口にしていました。
「○○さんは誤字脱字が多い」
「○○さんの作成する企画書はありきたりだ」
「○○さんは思いつきでモノを言う」
「○○さんの話はわかりにくい」
「○○さんは新しいことをやろうとしない」
仕事ができるEさんからすると、他人の悪いところが目についてしまうのでしょう。
だからと言って、言われるほうは、たまったものではありません。不満を言われた人たちはEさんに腹を立てているので、Eさんに仕事を頼まれても常に後回しのうえに、必要最低限の対応のみのやっつけ仕事でミスも多く、Eさんがやり直さなくてはならないこともしばしばあり、それだけでもかなりの時間を取られます。
Eさんはいくら仕事をしても終わらない状態になってしまったのです。
一方、仕事がとても早いFさんは、常に相手の良いところを探し、伝えています。
褒められてうれしくない人はいません。Fさんは仕事で関わる人たちと良好な人間関係を築くことができ、仕事も順調に回せています。
「人の良いところを探し出すなんて難しい」、そう思う人もいるかもしれません。人間の習性として、悪いところに目が行きやすいからです。
人の悪いところと良いところは表裏一体です。
(悪い)思いつきでモノを言う→(良い)発想力が豊かである
(悪い)新しいことをやろうとしない→(良い)慎重だ
(悪い)無口だ→(良い)聞き上手だ
視点を変えると、悪いところを良いところに変換することができるのです。このように短所を長所に変換することを、心理学用語で「リフレーミング」と言います。