私語厳禁には、冒頭でお話ししたこと以外にも弊害があります。
電話よりメールやSNSでやり取りをするほうが多い今、1日中、ほとんど電話の鳴らない職場もあります。
以前、電話の鳴らないオフィスにお邪魔したことがあるのですが、本当にシーンとしていました。
静まり返っているので、ちょっとした相談をしようにも、皆に聞こえて目立ってしまい、気の弱い人は、なかなか声を出せません。「先輩にちょっと聞きたいな」と思うことがあっても、周りが気になって、結局黙って自分で処理しようとしてミスや間違いが起き、やり直しが生じることも多くなります。
また、シーンとした職場は空気も重くなりがちなので、メンタル不全になる人も少なくないといいます。
多少の雑談はOKな職場なら、ちょっとした相談もしやすく、アットホームな雰囲気になるので、メンタルも暗くなりませんし、何気ない話をあれこれすることで後輩のモチベーションを維持することもできるでしょう。
雑談によって、若い社員の離職を防ぐことにつながるかもしれません。
雑談が多いと集中できない、たしかにそれも一理あります。
ただ、それ以上に雑談の効用はたくさんあります。
集中できない人は、「この時間は集中したいから話しかけないで」と、率直に言っておけばいいだけです。
雑談はムダで非効率に見えますが、実は仕事をスムーズにしてくれる潤滑油なのです。