2019.08.19

「なぜなぜ期」の子どもの質問に、うまく切り返す3つのコツ

テキトーに答えても大丈夫
はせがわ わか プロフィール

「理由」より「結果」で考える

そして、大人を困らせてしまう子どもの「なぜなぜ」の三つ目は、子どもには説明できないものです。大人さえ、調べないと分からないこともあります。例えば「せっけんは、どうしてあわだつの?」。

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水に息を吹き込むと、空気の泡はすぐ消えます。一方で、石鹸には界面活性剤が入っています。「界面」とは水と空気の境界面。「活性」とは元気なこと。石鹸中の界面活性剤が水と空気の境界面を元気に強くするので、泡が消えにくく、泡立つわけです。

でも、こんなことを子どもに教えても、子どもは理解できません。全くの無意味です。無意味なだけでなく、有害でもあります。

例えば「流しそうめん」は、その言葉を知ることで語彙がひとつ増えます。語彙力とは、いろんな言葉の仲間が頭の中にどれだけあるかです。そうすると、新しいものに出会った時、その仲間を頭の中で見つけやすくなります。仲間がどんどんつながり合うので、知識もしっかり記憶されますし、さらに芋づる式に知識を増やすことができます。

一方で、「界面活性剤」という言葉の仲間は、子どもの頭の中にはありません。こんな独りぼっちの語彙が増えても、その知識は固定されにくく、すぐに忘れてしまいます。

 

また、科学は自分で考えて、「なるほど!」と思えるからおもしろいわけです。石鹸が泡立つ仕組みを聞いて「なるほど!」と感じられないうちに答えを教えてしまうことは、算数の答えを、理解もせずに全部写すようなものです。考えることなく、分かった気になってしまいます。

さらに、これからもっと考える力がついた時の、「なるほど!」という科学のおもしろさを感じるチャンスを奪ってしまいます。百害あって一利なし、とはこのことです。

「せっけんは、どうしてあわだつの?」と聞かれた時は、「手をきれいに洗えるからじゃない?」とか「シャボン玉を作ることができるからじゃない?」という風に、「石鹸が泡立つ“理由”」ではなく「石鹸が泡立った“結果”」について話してあげましょう。

目に見えない“理由”より、目に見える“結果”のほうが、子どもにはずっと身近に感じられます。そして「石鹸の泡」が「手を洗う」とか「シャボン玉」のような、すでに知っている記憶とつながり合うことで、子どもの理解がぐっと深まります。

また、言葉での説明はそのくらいにして、あとは石鹸でいっぱい遊びましょう。シャボン玉で遊んだり、石鹸水にストローで息を吹き込んでみたり、今日、汚してしまった服を一緒にゴシゴシ洗ったりして、石鹸の泡をいっぱい五感で感じることが、科学が好きになるために幼児期に一番大切なことです。

将来、感じるであろう「なるほど!」がどんどん感動的になります。石鹸が泡立つ理由をどう説明しようかと気をもむよりも、ずっと大事ですね。

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