“つけている感”に溺れる人たち
(1)の「つけて満足タイプ」の人とは、家計簿アプリを使って家計簿はつけているけれども、つけているだけで、結局何も変わっていない人を指します。
手書きの家計簿は、単純に手間のかかる作業です。ノートを開いて、レシートを見ながら、買ったものと値段を転記していきます。場所もとりますし、基本的に自宅で落ち着ける時間の確保が必要でしょう。さらに集計となれば、電卓で足しこんでいく作業も必要です。
その点、家計簿アプリはスマホさえ起動できれば、どこでも作業が可能、集計も自動で行ってくれます。お買い物してすぐにスマホに入力しようと思えば、移動時間などの隙間時間を利用してつけることもできてしまいます。
家計簿は、そもそもつけ続けることが困難なものなので、アプリを活用することで、その点だけでもクリアできれば、確かにありがたい道具です。
しかしながら、冷静に考えて、「つけただけ」で終わっているのだとしたら、つけずにその空いた時間を別のことで有効活用した方がよっぽどいいかもしれません。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。私なりの考えですが、家計簿を過信している点が大きいのではないかと思います。
「家計改善には家計簿が役立つ」、「家計改善するには、家計簿をつけないといけない」、「家計簿をつけている人は、お金を貯められている人」。そんな先入観が強いのかもしれません。
こういった方は、とりあえず「家計簿をつける」という作業を重視し、つけた結果をどう活用するかどうかまでのアイデアが乏しいように思います(失礼な言い方でしたら、すみません)。
アプリのおかげで確かに作業効率は格段によくなっているのですが、それでもそれ相応に手間はかかります。それで一杯一杯というケースもあれば、よくも悪くも“つけている感”によってある程度の満足感を得て終わってしまっているケースもあるようです。
では、どうしたらいいでしょうか。思い切って、家計簿アプリをやめてみてはいかがでしょうか。