〈マジ地獄…〉「AI歌人」が詠む短歌、驚きのお手並み拝見

5文字入れれば自動で詠む「デモ」付き
短歌研究編集部

編集部 ここで、同じ言葉を「助詞」を変えて作ってもらいましょう。 どれくらい言葉の学習が進んでいるのかな。

夕暮れの薮のかげすくほのあかり庭の桜の足もとにちる
夕暮れに薮のかげすくほのあかり庭の桜の足もとにちる
夕暮れよそこはかと桜いつかまた蔓なみ揃ふ幾なみの蔓
夕ぐれよ乱れて吾が空のわが家のそこはかとなく生きてぞゐむ

編集部 同じだったり変わったり、ですね。では、「師匠」の一人である与謝野晶子の歌にちなんで、「柔肌の」と入れてみてください。

柔肌のあかきが罪をさやりなく現の桜花を描き重ねたり

編集部 なるほど、こうなるか。

 

加古 人間がひとつひとつデータを入力するのは大変ですが、電子書籍などのデータを知識として入力することはできませんか。

中辻 そういうデータを知識や経験として積み上げていくことは、技術的には可能かもしれませんが、一大プロジェクトになりますね。たとえば、囲碁や将棋など人間と同等に戦うことができるのは、どの手を打てば勝てるか否かという正解、不正解が明確に分かれている大量のデータがあるからです。

しかし短歌生成において正解はありません。「恋するAI歌人」にどのようなデータを入力すれば人間と同じような創造性を持ったAIになるか、それが一番難しいところです。また、今回は著作権に問題の無い、近代歌人の短歌を用いていますが、より多くのデータを学習していく際には著作権の問題も整理しなくてはいけません。

加古 AIによる短歌は、ある種偶発的に生まれる部分があると思います。一首は作れても歌集を作れるんでしょうか。

野口 AIは連作を作ることはできません。

中辻 お題を設定することや、歌のトーンを統一することはできますが。

加古 バックグラウンドの物語をデータ化すれば作れるのではないでしょうか。たとえば「最近お母さんを亡くしました」とか「失恋しました」など物語をデータ化すれば。

中辻 バックグラウンド情報があればできると思います。ただ、ボリュームあるデータを作るのが大変なんです。