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5年も経てば、練馬・足立・葛飾・杉並・北区は4人に1人が高齢者

大規模な介護難民が出る
河合 雅司 プロフィール

そうなれば地域のコミュニティも崩壊するし、生活必需品を売る商店も経営できないから減っていく。クリーニング店がなくなる。スーパーがなくなる。医者もいないということすら当たり前になる。

すると、生活自体ができない。まさに都市としての機能がなくなってしまうのです。これはその「ある県」だけの問題ではなく、日本全体の将来の姿といっても過言ではないのです。

現状すら把握できないわけですから、将来に向けて何をしていいのか、わからない。何から手をつけていいのかわからない。これが今の地方行政を司っている人たちなのです。

 

オールド都市・東京

ここまで地方の話を述べましたが、東京や大阪といった大都市圏はどうなっていくのでしょうか?

日本はすでに人口減少時代に入りましたが、2020年時点で人口が増えている都県もあります。東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県、沖縄県です。ただし、増加率は1%台と、増え方としてもほぼ横ばい状態です。

そのうえで、これらの都県でも人口構成比は他の道府県と同じで、高齢者の割合が高く、高齢化が進んでいます。それが2025年になると、もっと顕著になります。

東京23区の中でも、練馬、足立、葛飾、杉並、北の各区では、4人に1人が65歳以上の高齢者で構成され、特に練馬区、足立区では、75歳以上の割合が15.4%となります。実に5区に1区は住民の4人に1人が高齢者という、オールド都市・東京となるのです。

東京にも4人に1人が高齢者の地区が(photo by iStock)

練馬区の場合ですが、三十数年前に光が丘団地ができ、区の人口が3万人増え、団地内には、保育園、幼稚園、小中学校、高校まででき、大きなスーパーもあり、ひとつの町として形成されました。

しかし月日は流れ、その団地の住む人たちの高齢化、子どもの減少で、小中学校の統合などが進み、スーパーでも高齢者の買い物客が目立つようになってきました。光が丘だけでなく、多摩地区の多摩ニュータウン、高島平団地でも同じことが起こっています。

とても住みにくい町に

では、具体的にどんなことが起こるのか?

東京では、介護施設の整備が遅れており、高齢者向けの入院ベッド数も少ない。このままでは大規模な介護難民が出るでしょう。

また、都心部はビジネスの中心として、働く若い世代を対象に都市計画が進められてきたため、駅や公共施設のエレベーターの数やバリアフリー化も十分ではありません。

このままの都市計画を進めていけば、「買い物や通院をしたいけれど、移動ができない……」ということも当たり前のようになっていきます。

とてもお元気な方が増えているとはいえ、80代以上の高齢者が外出すれば、バスや電車などの乗降時間もかかり、道路の渋滞や鉄道ダイヤの遅れなどが日常茶飯事になります。今のような過密ダイヤでは混乱は避けられないでしょう。

生活には便利といわれる東京も、とても住みにくい町に変化していくのです。