# がん

妊娠中にがん発覚…! それでも「幸せに産んだ人」たちの知恵と方法

他人事ではない
黒田 尚子 プロフィール

情報リテラシーの高さが二つの命を守る

冒頭でも説明したように昨今の晩産化によって、怜子さんのように妊娠期がん(妊娠合併悪性腫瘍)は増えているという。

筆者が調べた限り、妊娠期がんの発生頻度を示す正確なデータは見当たらなかったが、妊婦1,000人中1人とも3,000人中1人とも言われているようだ。

 

いずれにせよ、晩婚化・晩産化の傾向が続けば、確実に患者数は増えるだろう。ただ、妊娠中でもがん治療ができることはあまり知られていない。妊娠期間中は抗がん剤を投与できないという認識の医師も少なくないと聞く。

実際、怜子さんの事例でも、最初のクリニックでは妊娠人工中絶を行うことを勧められている。

怜子さんも、あの時、言われるがままに治療を優先させていたら、今赤ちゃんを手にすることはできなかった。運命の分かれ目は、やはり情報リテラシーの高さなのかもしれない。

最近では、妊娠期がんの研究も進んでいる。2012年に発足した日本がん・生殖医療学会(前研究会)では、がん治療と妊娠についての情報提供を行っており、連携する地域医療の情報も検索できる。

がん罹患後に子どもを希望している方も含め、妊娠した後にがんが見つかった方は、あきらめる前に二つの命を守る手だてを探って欲しい。

<参考>
・日本がん・生殖医療学会
http://www.j-sfp.org/
・日本がん・生殖医療学会「がん専門相談員向け手引き「がん と妊娠の相談窓口」(第2版)」
http://www.j-sfp.org/ped/dl/cancer_consultation_brochure_jp.pdf#search=%27%E5%A6%8A%E5%A8%A0%E6%9C%9F%E3%81%8C%E3%82%93%27