# 介護

親のためにやる「同居介護」が、じつは親孝行にはならない3つの理由

馴染めると思った私が悪かった
太田 差惠子 プロフィール

どうすればよかったのか…

母親は結局、近所に「サービス付き高齢者向け住宅」を見つけ、そこで暮らすことになりました。

「僕は何をやってるんだか。母親に土下座させ、賃貸に暮らさせ、後悔してもしきれません。家具なども大部分を処分してしまった」とタクヤさん。

では、タクヤさんはどうすれば良かったのでしょう。

 

間違いは3つでした。

(1)「親にとっての幸せは、子と暮らすこと」は勘違い

(2) 一緒に暮らしても、日中は1人きり

(3)「その内、馴染める」は甘い想定

そもそもの間違いは、タクヤさんが「母親にとっての幸せは、ぼくと暮らすこと」と思い込んでいたことだと思います。結果、呼び寄せる前に、意思確認をすることを怠りました。そして、さっさと実家を売却。

もちろん、自分の気持ちと向き合わなかった母親自身の非も大きいと言えるでしょう。自業自得とも言えます。しかし、息子の厚意を無にできなかった母親の気持ちも分からなくはありません。当初は、「そのうち、馴染める」と思ったのでしょう。

けれども、一緒に暮らしても、日中は1人きり。友達もおらず、知らない街で孤独は募る一方でした……。

タクヤさんの母親のケースは、実家を売却したお金で賃貸を借りることもできるので、結果オーライともいえます。やってみないと分からないこともありますから。しかも、母親は1人で九州に戻るという強硬手段に出てしまえるほどの行動派だったことが幸いでした。思いを口にできないまま、ウツにでもなっていたら悲惨です。

また、1度の引っ越しでお金を使い果たしたなら(呼び寄せて、子の近所の有料老人ホームへ入居など)、結果オーライとは言っていられません。

呼び寄せる場合は、しっかり親子で話し合ったうえ、移動後の生活についてもいろいろな状況をシミュレーションしておきたいものです。