# 日本論

日本人だけが知らない「日本の強さ」の正体…アジアで見た意外な現実

日本には「分厚さ」がある
藤野 英人 プロフィール

日本はやっぱりすごかった

アセアンにはこれから何度も訪問することになるだろうと思います。

実際にアセアンで投資をするようになれば、企業との関係構築も進んでいくでしょう。アジアで成長する企業に投資することは当社のお客さまのためになるのはもちろん、アジアの成長企業に日本の資金が投入され、それが成長資金となって実った果実が日本に戻ってくるというのは素晴らしい循環だと思っています。

そしてもう一つ、私が今回のVIP訪問で考えたのは、「日本はやっぱりすごい国なんだ」ということです。

 

今回訪問した国は、いずれも鉄を輸入しています。

自動車部品や電子部品も輸入に頼っていますし、自動車やスマートフォンもすべて輸入品です。技術力がなく、付加価値の高い製品は自前では作れないので、輸入に頼らざるを得ないわけです。

〔photo〕iStock

加工度の低いものを輸出し、加工度の高いものを輸入している状況では、1人あたりの所得はなかなか上がりません。もちろん、これらの国々ではこれから人口が増え、インフラが整備されて消費も伸びていくことも間違いありませんが、教育水準の向上、それに伴う技術力の向上が起きなければ、人口の伸びが止まったところでGDPの伸びも止まることになるでしょう。

翻って日本について考えてみると、鉄や化学製品などを作る技術は高く、供給が多すぎて需要がだぶつくほどですし、自動車部品や電子部品はもちろん自動車やハイテク製品も世界に送り出しています。小惑星探査機「はやぶさ」には町工場の技術が詰め込まれ、新潟・燕三条の会社がiPhoneの重要部品製造を担うなど、中小企業魂にも目をみはるものがあります。

いずれも私たちにとっては「当たり前のこと」ですが、歴史や文化、教育水準の高さというベースがあってこそ今の日本があるのであって、この厚みはASEAN諸国が一朝一夕で覆せるものではないでしょう。