3500円のスカートすら買えない「働かない夫」への妻のブチギレ

あぁ猛省…僕はまるで「ヒモ」だった
絵と図 デザイン吉田 プロフィール

こみ上げてくる怒り。普段は声を荒げることのない温厚な妻が、はじめて僕に対して怒りを突きつけてきた瞬間でもありました。顔が熱くなるのがわかります。

<確かにあなたのお気に入りの、買ったばかりのスカートを色落ちさせてしまったのは悪い。謝る。でも、カーテンの黴がひどくなっていたのでハイターし洗ったのは僕の勝手ですか? 結構時間かかる仕事ですよ。その上、買い物、食事づくり、食器洗い、お風呂掃除、トイレ掃除、部屋掃除、ゴミ出し…下山してから、これらはほぼ全て僕がやっているんですよ!>

キツイ言葉を投げつけられて、その言葉が心に刺さってしまわないように必死で自己弁護を図ります。

しかしその声は、どこか弱々しく独善的で自信がなさげです。ふと僕の主張は、妻の怒りに対して応えるものではなく、今の自分自身を正当化するものだと気がつきました。「妻への罪悪感から身を守るための言い訳にすぎない」と僕のなかで新たな心の声が聞こえてきます。

 

「あなた、いままで何をやっていたの? イラストの仕事も営業もほとんどしていないじゃないの。うちの貯金は半年前にもう尽きているんですよ。つまり今は私があなたを養っている状態なんですよ」

<ふたりで出し合った貯金がすでにない…今の生活費はほとんど妻が出していた…まるでヒモがじゃないか……。振り返ればいくらだってその状況に気が付けたのに、それを意識しないで見て見ぬふりをして…しかもそんな妻に対して「ありがとう」と一言も言わなかった…>

妻は、「怒りをぶつけると離婚を言い出されるんじゃないかと思って、いままで怖くて言えなかった。それに養ってあげてるだなんて、偉そうに思う自分もイヤだった」と僕に打ち明けます。

<妻がなにか言おうとするといつも僕は「君が言う事ことはいちいち重い」とか「自分はお金を稼がなかったが、何もやっていなかったわけじゃない」とか、言い訳や傷つくようなことばかり言っていたから…。>

僕がいままでほおっておいた分、妻の気持ちを察していなかった分、そして、「イラストレーターになる」と決めて、妻と一緒に山を下りてきたのに、その決意がまったく足りていなかった事実を一番信頼する妻につきつけられ、それに気が付かないふりをして生活してきた分だけ、妻の鋭い言葉が僕の胸に突き刺さり、見えない血が流れ出します。