2019.08.10
# 幾何

「自分のだけケーキを大きく切りすぎ」問題、完璧な解決法があった!

5人姉妹でも仲良く5等分できる数学
横山 明日希 プロフィール

解決のヒントは、「綺麗に切る方法」ではなく、「切る順番」にあります。

まずは、片方の人がケーキを切ります。ただしその切り方は、本人が「どちらも同じ大きさで、どちらのケーキをもらうとしても納得できる」と思えるようにカットする、というものです。

このときに、切った本人が納得していれば、正確な2等分である必要はありません。

そのあと、カットしなかったもう片方の人が、2等分されたケーキのうち「自分が欲しい」と思うほうを選びます。

もともとケーキを切った人間も「どちらをもらっても納得」だったので、結果的に2人とも納得した状態でケーキを分けることができました。

いかがでしょう。少しフシギな感覚を持つかもしれませんが、実際にこの順番でケーキを分けると、お互い納得した状態で分け合えるのです。

分け方ひとつで満足度は変わる Photo by gettyimages
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さらに3人の場合を考えてみましょう。少し順番は複雑になります。

まずは、さきほどと同じやり方で、2つにカットされたケーキを2人に分けます。この時点では、ケーキをもらっている2人は納得した状態になっています。

この状態から2人はもらったケーキを3つに分けます。もちろん、このときの分け方は「どれをもらっても納得」できるように、です。

最後に、まだケーキをもらえてなかった1人が、2人の3つずつに分けられたケーキのうち、欲しいと思うケーキを1つずつもらいます。これで、3人とも手元に小さく分けられたケーキが2つずつあることになります。

もちろん最後にケーキをもらった人間は納得するものを選んだし、最初にケーキをもらった2人も、どれをあげても納得できるように3分割しているので、残った2つのケーキで納得しています。

この方法を使えば、4人の場合も「2人で分ける⇒そのあと3個に分けて3人目が2個もらう⇒3人がもっている2個をそれぞれが半分にして4個にして、4人目が3個もらう⇒4人全員が3個ずつ納得したものをもらっている状態になる」と分けることが可能です。

ただ、人数が増えれば増えるほど、うまく分けられたとしても細かく切った状態になってしまうので、実際にこの方法が使えるのは4人くらいまでかもしれません。

実は人数が増えてもここまで細かく分けずに済む方法はありますが、少し長く複雑な説明が必要になるので、ここでは「その方法がある」とだけ紹介するに留めておきます。

これは「離散数学」という分野で、「ケーキ分割問題」という名前で扱われている話となります。

さて、今回は「ケーキを等分する理論上の話」から「実際に切る場合の手法を数学的に考える話」へ、そして「人間が納得しながら分けるために必要な作業の順番の話」にまで発展させてみました。

「人の感情も含めることができる」というのが、筆者個人としては面白い話だと感じております。また、雑学として頭に入れておくだけでなく、実践できる場面が比較的多い問題だと思いますので、ケーキでもピザでも「公平に分ける」ことが必要な場面がありましたら、あえて今回のような状況をつくり、うまくいくさまを体験してみてください。

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