巣立ちのヒナは拾わずに見守るのが基本

仔猫と同じぐらい問い合わせが多いのが、「鳥のヒナが落ちていた」という問い合わせだ。特に、春から夏の時期は、さまざまな野鳥のヒナの巣立ちの時期。落ちていたと拾ってしまうが、実は巣立ちの練習中のヒナで、離れたところで親鳥が観察しているケースがほとんどだという。親鳥は、定期的にヒナに餌を与えながら、ヒナが自らの力で飛び立つのを見守っている。それを保護してしまうと、巣立ちの邪魔をしたことになってしまうのだ。

しかも、野鳥を人工的に育てるのは、とても難しい。鳥の体温は高いため適切な温度管理が重要だし、ストレスにも弱い。1時間ごとにその鳥の種類に合った消化の良い餌を与え続けなくてはならない。さらに、ヒナは親鳥から学ぶことが多く、拾ってしまうと自力で生きていく力を奪ってしまうことにもなってしまうのだ。

もしも地面にいるヒナを見かけたら、交通量が多い道でならば、落ちていた場所から離れていない安全な場所にそっと移動させる程度に留めておいたほうがいいだろう。

巣立ちに失敗したヒヨドリのヒナ。安全な場所に保護し、しばらくしたら巣立っていった。写真/友森玲子

交通事故などで動物の遺体と出会ってしまったら

悲しいことだが、交通事故に遭った猫や犬に遭遇することもある。自分が轢いてしまうというケースもあるかもしれない。特に、猫は急に飛び出し、車のライトを見ると逃げずに止まってしまうことがあるため、交通事故に遭いやすい性質を持っている。運転手側に落ち度がなくても、事故が起きやすい。こういった事故を少しでも減らすためには、飼い猫の室内飼いを徹底することも必要だ。

万が一、交通事故で動物を死なせてしまった、死んでいる動物と出会ってしまったという場合は、2つの対処法がある。ひとつは、道路を管轄している清掃局へ連絡をすること。遺体を回収に来てくれる。

次に数千円の費用負担と少しの時間の余裕がある場合には、近隣の動物病院へ問い合わせをして、病院葬で交通事故の動物を霊園に出してもらえるか聞いてみよう。動物病院が対応してくれる場合は、ダンボールやタオルなどに遺体を包み連れて行くといいだろう。このとき病院で、ついでに迷子札やマイクロチップなど、所有者の手がかりがないか調べてもらおう。また、埋葬前の写真を撮影しておくと、飼い主が探していた場合に後日確認ができる。

保護には慎重に。
でも、保護から生まれる思いもある

淡々とした書き方をしてしまったので、冷たく感じたかもしれないが、以上が住宅街などで起こりやすい動物とのハプニングだ。そのとき、自分がどう行動するかの尺度は、“手を差し伸べることがその動物にとってプラスになるかマイナスになるか”を冷静に検討して、保護するか決めて欲しいと思う。

子供の頃に親に言われた人も多いと思うが、「自分が世話をできないのに生き物を拾ってはいけない」、これは正しいと思う。動物のかわいそうな姿を見るのは誰しもつらいことだ。でも、拾うだけ拾って、あとは動物病院かボランティアにどうにかしてと押し付けようとして、トラブルを起こしてしまう人もいる。

ペットとして迎えるときだけでなく、動物を保護するときも自分の決断に責任を取り、世話をする時間や環境、かかる費用なども考え、負担をする、ということがとても大事なことだと思う。

しかし、動物たちの思わぬ出会いは厳しいことばかりではない。私も保護団体を立ち上げる前から、驚くほどよく動物を拾っている。確かに、保護することによって発生する種々の面倒もある。仔猫のシーズンなど寝ないで授乳・排泄をするときもある。でも受け入れて治療や世話をすることによって、得がたい経験をし、楽しませてももらっている。私にとってはこれも大事な出会いなのだ。

「いぬねこなかまフェス2019~動物愛護週間に集まろう~」9月23日開催!

毎年9月20日~26日は、「動物の愛護と適正な飼養についての理解と関心を深める」ことを目的とした動物愛護週間。友森玲子さんが動物を愛する多くのゲストと共に登壇するイベントも開催されます。
登壇者(50音順)akiko、浅田美代子、糸井重里、スティーヴ エトウ、大槻ケンヂ、坂本美雨、鈴木杏、椿鬼奴、富樫春生、友森昭一、友森玲子、町田康、水越美奈 ほか
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