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死の危険性も…恐怖の「パンケーキシンドローム」を知っていますか

ユニークな名前とは裏腹に…

2人に1人がアレルギーを持っていると言われる日本人。高温多湿の季節を迎える今、思わぬものでアレルギーを起こすことが――。

ホットケーキやお好み焼きを食べた後にアレルギーの症状を起こす「パンケーキシンドローム」をご存知だろうか。アナフィラキシー(重度の急性アレルギー症状)が出ると死にも結びかねない。

その怖いパンケーキシンドロームについて、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)などにも出演する、アレルギーを専門とした、国立病院機構相模原病院臨床研究センター(神奈川県相模原市)の海老澤元宏副臨床研究センター長に話を聞いた。

 

「お好み焼き」も危ない

2011年の報告によると、パンケーキシンドロームは世界のさまざまな国で確認されています。スペインが59例、ラテンアメリカが31例、日本が31例などです。『パンケーキ』と言いますが、日本では『お好み焼き』を食べた後にアナフィラキシーが起こることの方が多い

つまり、パンケーキシンドロームと言っても、日本ではその多くが、家庭でお好み焼きを食べた後に起こっているという。

だからといって、食物アレルギーというわけではありません。このアレルギーの原因は、実はコナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、ケナガコナダニといった『ダニ』なんです。

ダニアレルギーに反応する可能性を日本人の若者の50%以上が持っています。日本の夏のような気温・湿度の高いときにダニは活発になりますが、使い残したお好み焼き粉などを正しく保存しないで置いておくと、その中でダニが繁殖する。このダニが繁殖した粉を使ってお好み焼きを作って食べると、腸管から吸収され、全身的な症状を起こすことになるのです

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ただ、このパンケーキシンドロームに襲われる可能性があるのは、ダニアレルギーのある人に限られる。さらに、ダニアレルギーのある人がダニの繁殖しているお好み焼きを食べると、必ずアナフィラキシーを起こす……というわけでもない。発症には、大きく2つの条件があるようだ。

第1に、どれだけダニが多く身体に入るか。そして、第2にお好み焼きを食べる人の、その時の身体の状態が大きいのです。たとえば、その時に『鎮痛薬(痛み止めの薬)を服用していた』、また、『身体が疲労困憊していた』『摂取した後に運動をした』『喘息の持病がある』などの条件でもアナフィラキシーが起こりやすくなるのです