だし昆布はおもしろい。好きな味を探して!

ところで、昆布にはいろんな種類がありますが、昆布水につかうのは、だし昆布。中でも、よきだしが出るとされる、だし昆布の3王者が、真昆布(まこんぶ)、利尻昆布(りしりこんぶ)、羅臼昆布(らうすこんぶ)です。

真昆布は函館から比較的近い、南茅部が産地。献上昆布であり、真の昆布、真昆布と呼ばれています。利尻は、名の通り利尻島(とその近辺)で採れる昆布。羅臼は世界遺産にもなった、知床半島の太平洋側で採れる昆布です。

3つの昆布は、姿も違えば、味わいも違います。だしの教室では、3種の昆布水を味見していただきますが、誰もが違いが判ります。昆布に親しんできた日本人だけでなく、中国人も、アメリカ人も、これまで私が教室で会った方々は、みんな“ちがいがわかる、男(女)”でした。

羅臼は鬼昆布とも呼ばれ、すがたも大きくワイルド。水出しで5時間くらいでも、かなりうま味が抽出できて、強い味。昆布の香りもしっかりめです。

利尻は漆黒で比較的細身。優しい味で、じっくり出すといい感じ。京料理で好まれると言われる所以で、昆布の香りもかなり控えめ、主張しすぎない上品さが身上です。

真昆布は、このふたつのいいとこどり、と私はいつも言っています。うまみはしっかり、昆布の香りはほどほど、バランスのよさが際立っています。大阪で好まれています。好きな味をみつけてみてください。

上浜のひとつ、安浦で昆布漁の船にのせていただきました。海からあげたばかりの昆布 写真提供/山脇りこ

実は昆布があがる浜の中には、古くから、上浜、別格浜、などと言われる、最高峰の昆布があがる浜があります。そう、ワインで言うところのグランクリュの畑。天然の昆布にはテロワールがあるのです。

たとえば、真昆布の南茅部を例にとると、よきだし昆布があがるとされる、7つの浜(よきだし昆布の断面が白いことから、白口浜と言われる。)のうち、尾札部(おさつべ)、安浦(やすうら)、川汲(かっくみ)の3つが上浜。このあたりに流れ込む川汲川の影響で独特の地質と水が生まれたと聞きました。

もし、天然・真昆布・川汲浜と書いてあれば、だし昆布の最高峰のひとつということ。コート=ドール県・ヴォーヌ=ロマネ村・ロマネコンティ、って書いてあるようなものです。もちろん、味わいもすばらしいです。

一方、養殖昆布もあります。養殖昆布と天然の大きな違いは、2つ。
1つめは、厚みに現れます。自然界での昆布の寿命は2年なので、天然は2年物(生まれて2年目を獲る)で厚みがあります。養殖は真冬の海を越えられないので、1年もの(近年、養殖2年物に成功する人も)。

2つめは、味わいに。天然は海底に根をはり、岩場に生えています。養殖は海面にはったロープから海底へむかって伸びていきます。つまり地底のミネラルを吸収しているのは天然に限るということ。

パッケージに天然、と書かれていなかったら、ほぼ養殖だと思ってください。