昆布老舗の奥さまの若々しさ

子供の頃は、夜の台所で鍋につかって、のんびりしている昆布をよく見ていました。私も自分の台所を持つようになり、普通に昆布だしを使うようになりましたが、昆布とがっつり向き合うことになったきっかけは、『昆布レシピ95』(JTBパブリッシング)という本でした。

私の「だしの教室」に参加してくれた編集者さんが、昆布だし、食べる昆布、加工昆布(とろろ昆布など)と、ぜーんぶ昆布だけで本を作りませんか?とお声をかけてくださったのです。すごい!それは面白そう!と、深淵なる昆布の世界に飛び込みました。

奥井海生堂さんの昆布蔵での筆者。奥井さんは蔵囲いとして平成元年からの昆布を熟成している 写真提供/山脇りこ

監修は、昆布の老舗、福井県敦賀市の奥井海生堂さんにお願いしました。そして福井を訪ね、奥井さんの昆布蔵を見せていただいたときのこと。その昆布のすばらしさに感動したのはもちろんですが、奥井ご夫妻の若さに、びっくりしたのです。特に奥様の若々しさと、肌の美しさ!

お聞きしたら、60代だけど、内臓年齢は30代と診断された、と。“毎日、昆布、食べてます”という言葉に、私の目は、キラーン!と光ったはずです。昆布……なにかある!と。

その後、昆布漁や、生産現場、研究者の話に触れ、調べていくと、なにかどころかいろいろなパワーがあることがわかりました。

先に書いたように、豊富に含まれる水溶性植物繊維により、脂肪の吸収が抑えられることや、昆布フコイダンには、免疫物質を調整する働きがあります。あの昆布の黒い色素、フコキサンチンには、血糖値降下作用があるという研究結果※2も。昆布が自らの成長に使うラミナリンは、腸内細菌バランスを整えてくれるそうです。カリウムが多いのでむくみを防ぐ効果も期待できます。

実は一時期、昆布水をさぼっていました。だしをひくときだけしか作らなくなっていたのです。そうしたら、あれ?ちょっと便秘気味?となって、復活したら見事に改善しました。
あくまで私の経験です。

一方で、過剰摂取はその人の体質によっては気をつけなければなりません。昆布に多く含まれるヨウ素による甲状腺ホルモンへの影響が心配されるからです。日本人は不要なヨウ素を体外に出す働きが発達しているので、健常者なら、普通に食べている分には大丈夫と言われますが、甲状腺異常がある方は要注意です※3