流行は性別を問わない時代へ

もしかすると、女性主導の流行が多かったのは、女性たちにとって食を選ぶことができること自体が新鮮だったからかもしれない。

戦前の女性は家父長制のもとにおり、献立を決めるにも家長の顔色をうかがう傾向が強かった。

戦後になって日本国憲法のもと、夫婦は対等な人間同士になる。主婦たちは台所の主人として、献立を考える自由を得た。だから経済的なゆとりができると、新しい料理を次々と食卓に載せるようになったのである。

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平成に食の流行化現象が激しくなったのは、働く女性が増えて外食や中食を自分で選べるようになったからである。自分にご褒美を与えることができる喜びもあったはずだ。その分だけ、流行が大きくなったのではないか。

よく見ると、共働きが定着し、子育て期でも働く女性が増えた2000年以降の流行には、働く女性主導とは限らないものが目立ち始めている。讃岐うどんやスパイスカレー、パクチーやハイボールは、男女ともに好む。

もしかすると、働く女性が珍しくなくなった今、流行は性別に関係なくなる時代が始まりつつあるのかもしれない。