水没リスクが上昇中! 日本人の約27%が「家を失う」かもしれない

東京湾岸から、埼玉東部も…!
夫馬 賢治 プロフィール

「晴天洪水」が起こる可能性も

Climate Centralは、気候変動による海面上昇で影響を受ける世界人口は、2℃の場合で1億3000万人、4℃の場合で4億7000万人から7億6000万人となると予想している。

日本だけに限ると、2℃上昇で日本人口の14%、4℃上昇で27%が被害を受けると予想している。影響を受ける人口がここまで増えるのは、世界でも日本でも海に近いところに人が住んでいるためだ。

 

豪雨や河川洪水などによる洪水リスクが「一時的浸水リスク」と呼ばれるのに対し、海面上昇による洪水リスクは「平常時浸水リスク」と呼ばれる。これまで人間社会は、一時的浸水リスクには目を向けてきたが、これからは平常時浸水リスクにも関心を向けていく必要がある。

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国土交通省国土技術政策総合研究所(通称、国総研)の分析結果によると 東京湾の玄関口、久里浜港(横須賀市)の周辺の平均海面水位が、およそ半世紀で15cm上昇したと推定しており、実際に東京湾でも海面上昇の記録が出てきている。これを受け、地元の漁業者は水害のリスクが出てくるとして危機感を強めている。

日本の堤防対策も大きな見直しが必要だ。例えば、東京低地の海抜ゼロメートル地帯の堤防は、これまで「一時的浸水リスク」の高潮を想定して造られている。しかし、「平常時浸水リスク」を考えると、高潮の潮位が上がってしまい、現状対策では不十分となる。

実際に、アメリカのフロリダ州の沿岸部では、雨も降っていない日に道路が冠水する現象が頻繁に発生するようになってしまった。英語では「Sunny Day Flood(晴天洪水)」と呼ばれており、豪雨や津波ではなく、海面上昇による洪水・冠水対策に支援を求める声が上がっている。

さらに、地下空間の利用が進んでいる大都市では、地下施設への浸水リスクも高まっている。そのため東京メトロや都営地下鉄などの地下施設事業主もリスク対策が求められる。