水没リスクが上昇中! 日本人の約27%が「家を失う」かもしれない

東京湾岸から、埼玉東部も…!
夫馬 賢治 プロフィール

東京の湾岸地域は「冠水」するという論文

NASAが観測しているデータには、降雨・降雪、大気中の二酸化炭素濃度、気温、海水温、土壌の水分量、海面水位などがある。NASAが過去25年間に取得した人工衛星データを分析した結果、地球の海面は年々上昇しており、海面上昇速度も速くなってきていることが判明したという。

NASAの観測からは、1990年代には海面は毎年2.5mmほど上昇していたが、今では毎年3.4mm上昇しており、上昇スピードが加速していることがわかった。そして、その上昇速度は、世界の気温が上がれば上がるほどますます加速していると予測されている。

加速していくと、どこまで海面は上がるのか。気候変動による海面上昇の予測は、近年大幅に研究が進んできている。つい最近までは、2100年までに世界の海面上昇は最悪のケースでも平均82cm上昇までに留まるという観測が出ていた。

しかしその後の研究ではそれよりも上昇するという研究発表が次々飛び出してきている。その中には、東京の東側や湾岸地域は冠水してしまうという論文もあるのだが、そのことは日本国民にはほとんど知られていないだろう。

 

海面上昇の「2つのメカニズム」

気候変動によって海面上昇が起こる理由は主に2つある。まず、陸上の氷河や氷床の氷が融解して海に流れ込み、海水の量を増やすことである。主な場所としては山岳氷河やグリーンランドの氷床が挙げられる。グリーンランドの氷床は特に大きく、それが全てとければ海面を7mも上昇させるとも言われている。

photo by iStock

一方、「気温が上昇して氷が溶けても海面は上昇しないことは、小学校の理科の知識でもわかる」という話が、何度もインターネット上で話題に上ったりしているが、これは正しくもあり、間違ってもいる。