非正規・無職の女性たちをずっと無視してきた「日本社会の罪」

結婚も出産も厳しい「無子高齢化」の現実
前田 正子 プロフィール

次に大きな違いが雇用状況である。団塊ジュニアの大学卒業時はバブル崩壊後の就職氷河期であり、その後失われた20年、いや30年の中で職業人生を送ってきた。非正規雇用の人も多い上に、正規雇用であっても他の世代に比べて収入が低い。

つまり、団塊ジュニアが高齢者になる2040年には、単身で年金も不十分な高齢者が増えるということである。そして、その後はロスジェネといわれる世代が続々と高齢期を迎えることになる。

非正規だった場合の老後の保障は国民年金だが、40年間保険料を納め続けても、もらえる額は月約65000円である(2019年時点)。

 

はたして非正規で収入が不安定な人が、40年間保険料を納め続けられるだろうか。そう考えると、実際の年金給付額はもっと少なくなる可能性がある。 

そもそも年金は、それだけで老後を支えることは想定されていない。現役時代にある程度の貯蓄をして、その蓄えと年金を合わせて暮らすように考えられているのだが、非正規では十分な貯蓄も難しいだろう。

多くが結婚し、正規雇用で働き続け、恵まれた年金を受給している現在の高齢者に比べて、ずっと厳しい状況にある高齢者が一気に増加するのが2040年なのである。

〔PHOTO〕iStock

女性の非正規・無業問題をどうする

今年になって、政府が就職氷河期世代の正社員を30万人増やすと言い出した背景には、こうした厳しい現実が横たわっている。今からでも正社員になって10年でも働けば、厚生年金の加算がついて老後の年金保障も手厚くなる、という目算だ。

政府が主なターゲットとしている雇用先は、深刻な人手不足に陥っている建築や運輸業界だが、実際に企業が雇うのは30代後半までで、40代の正社員登用には壁があるのではないかと言われている。