5年で権利がパーに
65歳で厚生年金を受給する際に、年下の妻がいるともらえる加給年金だが、これも申請を忘れる人が多い。
「夫が年金を申請する際に、年金請求書に、妻の生年月日やマイナンバーなど必要事項を記入し、同時に手続きしなければいけません」(社会保険労務士・大神令子氏)
加給年金は妻の年収が850万円未満であれば受給できるが、妻が働いているという理由で、誤って申請をしないケースも多発している。

妻が65歳になると加給年金は打ち切られるが、代わりに振替加算が妻の老齢基礎年金に上乗せされる。年下の妻であれば、手続きなく受給できるが、注意すべきは、妻が年上だった場合だ。
「夫が65歳になったときに、妻が自ら老齢基礎年金額加算開始事由該当届を提出しなければなりません」(ファイナンシャルプランナー・横川由理氏)
自分が年金を受給する時と、夫が年金を受給する時の2回手続きをしなければならないため、これを忘れる人があとを絶たないのだ。
このように年金の申請を忘れてしまった場合、どうすればよいのか。実は5年前までなら遡って請求することができる。
例えば、67歳で特別支給の老齢厚生年金を受け取り忘れたことに気づいた場合、5年前の62歳から65歳までの3年分の支給は取り戻すことができるのだ。
とはいえ、5年を過ぎれば一切受け取れなくなってしまうため、65歳になる前に一度は年金事務所を訪れておこう。
遺族がもらえる年金など、ここで紹介しきれなかったものはページ末の表にまとめた。もらえそうな年金があれば、是非、本誌を持って年金事務所に相談してみてほしい。