年金は「夫65歳・妻70歳」から受け取るのが正解だった

夫婦のパターン別に徹底解説
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(6)夫が自営業だった夫婦

この場合、老齢基礎年金だけをもらうことになる。平均寿命を考えると、基本形の①と同じように、夫が65歳、妻が70歳から受給するのが正解だ。ただし、夫が会社員だった夫婦とは違う点がある。

「自営業者には在職老齢年金による年金カットがありません。在職老齢年金の仕組みはあくまで、厚生年金の加入者が対象の制度だからです」(前出・北村氏)

夫は65歳からもらいながら、必要なぶんだけ生活費を稼げばいいのだ。

 

(7)特別支給の老齢厚生年金を受給中の夫婦

かつて年金支給は60歳からだった。これが65歳に引き上げられたことに対する時限的な緩和措置が「特別支給の老齢厚生年金」だ。60歳以上で一定の条件を満たした人が、65歳になる前に厚生年金を受け取ることができる。

この特別支給を65歳前に受け取っていた場合、引き続き老齢厚生年金も65歳から受給しなければならないと思い込んでいる人が多い。しかし、これは間違いだ。

特別支給の老齢厚生年金をもらっていたとしても、老齢厚生年金と老齢基礎年金は、それぞれ繰り下げ受給することができます(前出・横川氏)

とはいえ、平均寿命を考慮すれば、やはり夫が65歳から、妻が70歳からの受給が正解だ。

ただし、70歳まで繰り下げないにしても、66歳から繰り下げ受給したいと考えている人もいるだろう。1年でも繰り下げれば年金は8.4%増額するからだ。家計に応じて1年単位の繰り下げも視野に入れたい。

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(8)独身者(配偶者との死別を除く)

独身者は、加給年金や振替加算など夫婦特有の年金制度について考慮する必要はない。問題となるのは、貯蓄がどれくらいあるかということだ。

貯蓄がそれほどない場合は受給開始年齢を60歳に繰り上げて、生活資金を確保するのがいい。60歳から65歳にかけては、定年を迎えて収入が一気に減る時期だからだ。

一方、65歳まで給料や貯蓄で暮らすことができる人は、繰り上げも繰り下げもせずに65歳から年金をもらうのが正解だ。

「年金収入を増やすために繰り下げ受給をすると、65歳から70歳まで、生活資金の不足分を貯蓄から切り崩すことになります。病気になったときや老人ホームに入るときなど、まとまったおカネを払うために、貯蓄はとっておくべき」(前出・横川氏)

自分がどれに当てはまるか、ページ末の図の組み合わせも考えながら、じっくり検討してみたい。