年金は「夫65歳・妻70歳」から受け取るのが正解だった

夫婦のパターン別に徹底解説
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(4)夫と死別している妻

会社員だった夫が亡くなった場合、妻は夫が亡くなった時点から遺族厚生年金を受け取ることができる。この場合、年金について、妻の選択肢は1つしか残されていない。

遺族年金をもらっている場合には、老齢基礎年金を繰り下げ受給することはできません。そのため、夫がすでに亡くなっているのであれば、65歳から老齢基礎年金を受給する以外に手はないのです」(前出・奥野氏)

注意をしたいのは、繰り下げ受給ができると思い込んで老齢基礎年金をもらい損ねることだ。

また、このパターンで、同時に妻は年金の加算を受け取ることができる。

「夫が亡くなった時点で、妻が40歳以上で18歳未満の子がいない場合には、中高齢寡婦加算がもらえます。年額約60万円です。妻が65歳になると打ち切られますが、代わりに経過的寡婦加算がもらえます」(前出・北村氏)

 

(5)夫が定年後も働いている夫婦

厚生年金をもらいながら働くと、年金が減らされたり、年金をもらえなくなってしまうことがある。これを在職老齢年金制度という。

65歳以上の場合、年金と合わせた月収が47万円を超えると、超えた分の年金が50%カットされる。このカットを避けようとして、70歳まで繰り下げを選ぶとどうなるか。

「カットの相当分は、年金の繰り下げを行っても、増額の対象にはなりません」(前出・横川氏)

妻が繰り上げる手も

この場合、夫は65歳からもらう。妻は60歳から繰り上げ受給し、在職老齢年金の減額部分を補う方法が正しい。

「妻が基礎年金の受給を前倒しする分には、夫にどれだけ給与所得があっても影響しない。年金がカットされることはありません」(前出・北村氏)

夫が定年後も会社などで働き続けて、厚生年金の保険料を払い続けていれば、その分、夫の老齢厚生年金と、妻が受け取る遺族厚生年金は増える。妻が繰り上げ受給したことによる減額分をカバーできる可能性が出てくるのだ。